昨日のクローズアップ現代では「自由な仕事というけれど フリーランス急増の裏で」というタイトルで、フリーランスの現状と問題について取り上げていました。現在フリーランスで働く人は500万人にも上ると推定されており、自由なワークスタイルが拡がっている一方で様々な問題があります。
近年フリーランスからの相談に応じる事務所への問い合わせが殺到しており、その内容の多くは「報酬未払い」だそうです。また、自由な時間を増やすためにフリーランスに転身したのに、かえって業務量が増えて全く自由時間が無くなった、という事例も紹介されていました。「フリー」(自由)とは程遠い実態です。
本来フリーランスって、かなり高い専門性があったり、物凄く優秀な人向けの働き方ですよね。そういう人は、会社になんか縛られずに、好きなように仕事をして稼げば良いと思います。私にはまず無理なので、そういう人は本当に尊敬します。同僚の中には割と自信満々なタイプの人間が多いですけど、じゃあ彼らが会社の看板無しで食べて行けるのか、と想像してみると、半分以上は路頭に迷うんじゃないかと思います。
問題は、フリーランスとして食べていけるほどの専門性が無いのに、フリーランスにならざるを得ない状況に追い込まれた人たちです。彼らは発注者から足元を見られて、不利な扱いを受けて苦しむことになります。番組は、まさにこういった方々にフォーカスを当てていました。
「有能かそうじゃないか」「会社に所属しているか否か」でざっくり分けると、以下のようになりそうです。
実際にはフリーランスと正社員の間に契約社員や派遣社員等が居ますが、両極端に考えると上記のようになると思います。有能なフリーランスは、存分に力を発揮して好きなだけ稼げば良いです。無能なフリーランスは、番組内の事例のとおり大変な状況に陥っているので社会的な支援が必要です。有能な正社員は、本人が納得しているのであればそのままで良いですけど、おそらく給料分を大幅に上回る仕事をしていて、実は会社からかなり搾取されています。無能な正社員は、本人は「はー、つらいわ」と思っていても、実は会社から相当保護されています。
同じ無能でも、フリーランスは死ぬかもしれないのに、正社員はとりあえず給料を貰えます。私は就職して1年でうつ病になってしまい戦線離脱しました。休職中は精神的につらかったですけど、その間も傷病手当でお金がもらえて、復職後はしばらく業務時間を抑えてもらったりと、何かと会社から配慮してもらいました。よく考えると、フリーで働いている人と比べたら、有り得ないくらい保護されています。
今後は正社員も厳しくなってくるだろうし、そもそも正社員という区分自体が無くなるかもしれません。私を含めた誰もが嫌でもフリーに転身してしまう可能性があります。好きでフリーになった人はともかく、フリーに追い込まれた人に対しては社会的な支援をぜひ拡充して欲しいです。
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