地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

全財産9,000万円を騙し取られた女性

JRグループの高金利預金制度を装った詐欺容疑で、同グループ会社役員の男性が逮捕されました。被害総額は5億円超。男性は元利金支払いのために新たな契約者を募っていたそうです。典型的なポンジスキームですね。

この事件がやや特異なのは、容疑者が役員のふりをしていたのではなく、本物のJRグループ会社監査役だったことです。また、JRは分かりませんが、一部の大企業には福利厚生の一環として市場金利を大きく上回る預金制度のようなものが存在しています。実際、私の勤務先にも同様の制度がありました。もっとも、同制度は私が入社した年に廃止されましたが。今回、容疑者は本物の役員であり、一部大企業にこういった制度が実在することを考えると、騙されてしまうのも無理ありません。被害者には同情の余地があると思います。

リンク先の記事では、全財産9,000万円を騙し取られた女性が声が紹介されています。女性は70代で、夫の退職金、娘の貯金、田畑の売却費等も含めて、ほぼ全財産を容疑者に騙し取られてしまいました。「子や孫に老後の心配や苦労をかけたくない」という思いから、容疑者の話に乗ったとのことです。女性は良い人なんでしょうけど、娘の貯金も差し出してしまったことには驚きます。

さて、ここで問題にしたいのは、騙されるとか騙されないと言った話ではありません。女性はそもそも、これ以上お金を増やす必要があったのだろうか、という点です。それは今回の件が詐欺ではなかったとしても、です。

女性は既に70代です。この年齢で9,000万円もあれば、おそらく現金のままでも死ぬまでに使い切れず、子や孫にもだいぶ遺せたでしょう。もう何もせず、現金のままで良かったのではないかと思うのです。一方で、他人事とは思えないところがあります。

私は20代前半から地球株を買い進めて、30代のうちに資産が1億円を超えました。ほぼ地球株しか買っていなかったので、当時、全財産の大半が地球株でした。現在その状態からゆっくりと地球PFに移行していますが、今でも状況はそれほど変わりません。

資産が1億円を超えた時、もうリスクを取らずに全部売って現金にしてしまう選択肢もありました。せっかく1億円あっても、いつか暴落して半分くらいになる日が来ないとも限りません。実際にリーマンショックの時は確か半分以下になっていたと思います。

それでもリスク資産のまま持ち続けることにしたのは、当時まだ30代であり、残りの人生が長かったからです。日本は長らくデフレですが、地球全体では緩やかなインフレの状態が普通です。あと何十年も現金のまま抱えてしまえば、資産がどんどん減価してしまいます。つまり、狭義のリスク(確率的な価格変動)よりも広義のリスク(ほぼ確実な減価の危険)を恐れたのです。

もし若ければ、同じ選択をする人は多いと思います。しかし今回の女性は70代です。株式等の運用はもちろんのこと、実際のところ高金利預金でさえ不要でしょう。では、私がもし70代になった時、どのようなポートフォリオにしているのでしょうか。正直に言うと、あまり考えていません。もしかすると、今とあまり変わらずにリスクを取り続けているかもしれません。そうであれば、ある面では私もこの女性とそれほど変わらないことになります。

老後の資金管理について少々考えさせられる事件でした。

 

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