週に3日休める「週休3日制」を導入する企業が、日本でもちらほらと出てきました。欧米では先行して導入が進んでいます。日本でも、日立やパナソニックなどが試験的に導入して話題になりました。
週休3日制は以下の3パターンに大別されます。
- 欧米企業型
- 給料:変わらない
- 週の労働時間:減る
- 日立型
- 給料:変わらない
- 週の労働時間:変わらない
- パナ型(いわゆる選択式)
- 給料:減る
- 週の労働時間:減る
会社員にとって一番良さそうなのは、もちろん欧米企業型ですね。同パターンでは給料は変わらずに労働時間が減る、つまり単位時間当たりの給料が増えます。一見良さそうですが、その分、生産性を上げなければなりません。実際には予想以上にきついのかもしれません。ただし、日本でこのタイプは普及しないでしょう。実際、日本で少しずつ登場してきたのは他2つのタイプです。
日立型とパナ型のうち、一般的には日立型の方が好まれるようです。こちらは、週の労働時間を変えずに休みを増やすため、その分、一日の労働時間が増えます。総労働時間が変わらないので、給料もそのまま維持される、というわけです。週休3日制に関する色々なアンケートを見ると、「収入が減るなら利用したくない」という傾向があります。大方の会社員は労働時間よりも給料を重視しているため、給料が維持される方式の日立型を好むということでしょう。
一方、パナ型(選択式)では、休みが増えれば全体の労働時間も減ります。その分、給料も減りますよ、という方式です。休みが1日増えることで労働時間が2割減る(平日5日が4日になる)ので、給料もそれに比例するとすれば、単純計算で2割減るはずです。そして、同制度を利用するかどうかは、会社員が選択できます。この方式は不人気ですが、一番合理的な気がします。
今後、もし日本で週休3日制が定着するとすれば、おそらくパナ型(選択式)が標準になると思います。政府は「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)に週休3日制を盛り込んで、企業に普及を促しています。この中で想定されているのも「選択式」週休3日制です。企業側は週休3日制といった柔軟な労働環境を整備して優秀な人材を引き付けたい、と一般に説明されますが、本音では人件費が減るに越したことは無いでしょう。そういうわけで、普及するとしたら選択式週休3日制の方だと思っています。
さて、個人的には「選択式」が望ましいです。給料が減っても、休みが増える方が良いですね。総労働時間も減った方が良いです。こう言えるのは、私が平均的な会社員よりも資産を多目に持っているからだと思います。少々嫌味な言い方になってしまうかもしれませんが、私は給料が減っても生活に支障が無く、特に困りません。休みが増えれば単純に嬉しいです。
取らぬ狸の何とやらですけど、もしうちの会社が週休3日制を導入したら、私は水曜日を休みにしたいです。連続勤務を最大2日間に抑えられるので、疲労がグッと減りそうです。金曜日も捨てがたいですね。3連休でがっつり休めそうです。
経済学者ケインズは、1930年に「100年後には1日3時間の労働で十分な社会になる」と予言しました。今のところその見込みは無さそうですが、それでも週休3日制の導入で、予言された社会に少し近づくかもしれません。
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