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生活維持省

NHKの夜ドラ枠で、星新一超短編小説「ショートショート」を映像化したドラマが始まりました。初回は「ボッコちゃん」、昨日は2回目で「生活維持省」でした。

生活維持省はこんな話です。舞台は、ある「政府の方針」によって、土地問題も戦争も犯罪も無くなった平和な日本。その政府の方針とは「人口制限」です。国民からランダムに対象者を選抜して、その対象者が殺処分されます。主人公は生活維持省に所属し、殺処分の職務を行う執行官です。職務を全うする日々の中、新たに対象者として選ばれたのは、、、といった感じのストーリー。

初めて見る作品でしたけど、強い既視感を覚えました。これ、マンガの「イキガミ」と設定がそっくりなんですよね。イキガミでは、「国家繁栄維持法」に基づいて、ランダムに選ばれた若者が殺されます。同法の目的は、国民に生命の価値を再認識させて、国を豊かにすることです。主人公は、対象者にイキガミ(逝紙)を配達する公務員です。

生活維持省でもイキガミでも、国家がランダムに国民を抽出して殺しています。その犠牲の上に全体の幸福が築かれている、という怖い設定です。また、両方とも主人公が公務員で、殺処分を執行(あるいは告知)する仕事を行っています。両者の設定は非常に似ています。

むかしイキガミを読んで、「なんて斬新な設定なんだろう」と驚いたものです。生活維持省が元ネタだったのかもしれません。気になったのでググってみると、星新一の娘が小学館に対して「内容の類似」を指摘したり、それに対して小学館が反論したりと、ひと悶着あったようです。小学館側は「生活維持省に触れたことはない」と主張したようですが、ここまで設定が似ていると、ちょっと無理があると思います。

ただし、両者は設定こそ似ていますが、扱っているテーマは違います。生活維持省の方は、理不尽な政策そのものにスポットを当てています。一方、イキガミは、対象者が残りの24時間をどのように生きるか、といった面にスポットを当てた、いわば人間ドラマです。見る方としては、どっちも面白いので、設定がパクりかどうかは割とどうでも良いです。

こういう少しゾクッとするSF、好きですね。しばらく夜ドラを楽しめそうです。

 

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