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Nスぺ「混迷の世紀」、エネルギーショック

NHKスペシャル 混迷の世紀「第1回 ロシア発 エネルギーショック」を視聴しました。旅行前日の放送でリアルタイムでは見れなかったため、NHKプラスであらためて見ました。内容を端的に言うと、ロシアの資源外交によって生じた、世界中で繰り広げられているエネルギー争奪戦の近況レポートです。

プーチンは大統領に就任する前から、エネルギーを外交における武器として利用することを目論んでいました。ロシアは現在、まさにこれを実践してドイツや日本に揺さぶりをかけています。ドイツに対しては天然ガスの供給を一時完全に停止しました。これを皮切りに世界中でエネルギーの争奪戦となり、日本も巻き込まれています。

また、プーチンはサハリン2の事業主体をロシア企業に変更するよう命じる大統領令に署名しました。サハリン2のLNGは日本全体の輸入量の8%に相当します。もし輸入が止まってしまうと、日本は更なる電力不足に陥ってしまいます。

現在、ヨーロッパ、アジア、日本でLNGを奪い合う形になっています。こうした状況で多くの国がLNGの供給先として今注目しているのが、世界トップクラスの天然ガス排出量を誇るカタールです。日本はもともと、カタールと25年間の長期契約を結んでLNGを輸入していました。しかし、日本は長期的にLNGの需要が減ると見込んで、昨年この大型契約の更新をしなかったそうです。

ところが事態が急変したため、日本はいま慌ててカタールと再契約の交渉を進めています。しかし苦戦しているようです。カタールからすれば「なぜ昨年に長期契約を結ばなかったのか」ということになります。やっちまいましたね、、、しかし、まさかロシアがこのような暴挙に出るとは当時誰も予想できなかったはずなので、今となっては仕方ないことです。

今の日本は、政治的に原発をフル活用するのが難しいです。自然エネルギーは将来有望かもしれませんが、今はまだ安定供給に問題があります。そのため、電力の大部分を火力発電で賄っています。その火力発電に必要なLNGは、上記の状況で調達が困難になっています。今後もLNGの価格は高騰し、それに伴って私たちの電気料金も更に上がっていくことが予想されます。けっこう踏んだり蹴ったりの状況です。

日本は元々資源が乏しく、海外からエネルギーを輸入できなければ成り立たない国です。エネルギー自給率は先進国最低の12.1%しかありません。それは昔から分かっていたので、日本はエネルギー供給先の多角化を推進してきました。それにもかかわらず、たかだかロシア一国のせいで日本全体のエネルギーがここまで危機的な事態に陥ってしまうものなのかと驚きます。

ここから先は少々斜め上の感想になってしまいますが、良し悪しはともかくとして、結局お金よりも、エネルギーと軍事力を持っている国が強いんだな、と思いました。十分な量のエネルギーを自給できて、それを奪われずに活用できる力を持っている国です。残念なことに、日本はどちらも乏しいです。

こういう事態になってくると、いくらお金を持っていてもあまり意味がありません。エネルギー供給国が「供給減らすわ」と言えば、あっという間に当該エネルギーの価格がいくらでも上昇してしまうからです。もっとも、日本はかつて強みにしていた経済力すら近年危うくなっています。

また、これも似たような感想ですが、お金そのものには価値がない(交換価値はあっても使用価値が無い)ことが改めて浮き彫りになった気がします。これが金本位制の時代だったら話は別です。ゴールドそのものに価値がありますからね。しかし、今のお金は単なる紙切れか、物理的な実体すらないデジタル情報に過ぎません。今回のように、人間の生存に必須であるエネルギーの不足に直面すると、お金に対する考え方も変わってくるかもしれませんね。

 

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