映像の世紀バタフライエフェクト「9.11 同時多発テロへの点と線」を視聴しました。いやー、神回でした。映像の世紀シリーズは基本的にハズレ回がありません。その中でも、昨日の回は群を抜いて面白かったです。先日、911の陰謀論に関する記事を投稿しましたが、フライングでした。「あー、これ見てから書けば良かった」と思いましたよ。
このテロ事件は、そこに至るまで点と点がいくつも繋がって、1本の線になってしまっているようです。
まず、ロックフェラーが石油に着目して、サウジアラビアにオイルマネーがもたらされます。そのおかげで財を成したのが、ムハマンド・ビンラディン。あの「オサマ・ビンラディン」の父親です。
オイルマネーはサウジアラビアを豊かにしましたが、国内に深刻な分断を生じさせました。アメリカと仲良くする王族と、イスラム原理主義者の対立です。王族側は批判の目を逸らすため、アフガニスタン紛争に介入します。これには、アメリカとイスラム義勇兵が参戦しました。オサマ・ビンラディンは、このイスラム義勇兵の1人でした。
この戦争に、アメリカ+イスラム義勇兵は勝利しました。しかし、勝利後にビンラディンが目撃したのは、聖なるサウジアラビアを我が物顔で闊歩する、異教徒アメリカ兵の姿。やがてビンラディンは、反西欧文明の思想を掲げた国際テロ組織「アルカイダ」を創設します。そして2001年、あのテロ事件を引き起こしてしまいます。
自爆テロのターゲットになったのは、奇しくもロックフェラーが建設したアメリカの富の象徴、ワールドトレードセンターでした。センターの理念は「World Peace through Trade(貿易を通じての世界平和)」です。それが、この理念と真逆の思惑からテロの標的とされ、崩壊してしまいました。ロックフェラー自身も、リアルタイムで事件を見ていたそうです。
事件の10年後、アメリカはビンラディンを殺害します。そして、今度はビンラディンの息子がアルカイダの幹部となり、、、不幸の連鎖が続きます。まさに事実は小説より奇なり。壮大な大河ドラマのような展開です。
番組ではこの他、平和を願ってワールドトレードセンターを設計した日系アメリカ人、ミノル・ヤマサキについても取り上げていました。彼はツインタワーを、たとえボーイングの旅客機が突っ込んできても崩壊しないように、ちゃんと設計していました。しかし、その後ボーイングの旅客機はどんどん大きくなり、2001年時点ではタワー設計時の想定を超えた大きさになってしまっていたようです。なお、ヤマサキの平和への想いは現在息子に引き継がれています。
非常に見応え十分な回でした。私が先日書いた、911陰謀論を列挙した記事が何か恥ずかしくなってきます。NHKプラスでもう1回見ようかな。
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