地球PF運用ブログ

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為替介入の効果切れ

先日22日、政府・日銀は大規模な為替介入を行いました。円買い介入としては実に24年ぶり、規模は過去最大の3.6兆円と推計されています。目的は急速に進む円安の阻止です。介入はかなりのサプライズとなり、円安に向かっていたドル円は一気に5円以上も円高に振れました。

しかし本日27日、ドル円は介入前の水準に近い144円台半ばにまで戻ってしまっています。過去最大の円買い介入の効果は僅か数日しか持続しませんでした。

なぜでしょうか。問題が何も解決していないからだと思います。今の円安ドル高の要因は金利差です。周知のとおり、米国はガンガン利上げしていて、日本は逆に金利が上がらないようにしています。これでは円安が必然です。

介入で一時的に円高転換しても、元々の問題が残ったままなので、ドル円もすぐに元に戻ってしまいます。しかも今回は協調介入ではなく単独介入のようなので、より効果が薄かったと思います。円安を根本的に是正したいのであれば、日銀も他国と同様に利上げするしかありません。もっとも、現状での利上げは日本経済にとって命取りになります。日銀は非常に苦しい立場に置かれています。

ところで、為替介入には以下の2種類があります。

  • ドル買い・円売り介入
  • ドル売り・円買い介入

前者は主に急激な円高に対応するために実施されます。この介入では、政府短期証券の発行で円資金を調達してドルを買います。これは原理的に無制限に行えます。なぜなら、必要な円資金は政府・日銀がいくらでも発行できるからです。

後者は逆に、急激な円安に対応するために実施されます。この介入では、外為特会が保有しているドル資金を売却して円を買います。こちらは無制限というわけにはいきません。手持ちのドルの量が介入の限界です。

今回の介入は後者です。そして、市場関係者はみな上記の構造、つまり「日銀の円買い介入には限界がある」ことを熟知しています。私は今月ツイッターを始めました。介入規模の推計が出て来たら、あっという間にツイッター上で情報が拡散され、今後日銀が介入する可能性はどれくらいで、その規模はいくらなのか、といった予想が出回っていました。

また、今回の介入の効果は一時的であり、またすぐに円安に戻るだろう、といった旨のツイートも多数ありました。私も同様のツイートをしたかもしれません。つまり、日銀は市場関係者に対して絶好の「ドルの買い場」を提供しただけとも言えます。

関係者に限界が見透かされているため、もし今後日銀が追加で円買い介入を行ったとしても、その効果は更に薄く、その持続性は更に短くなるでしょう。米国との金利差が解消しない限り、長期的な円安傾向を食い止めることは不可能ではないかと思います。

 

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