地球PF運用ブログ

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母のふるさと納税

久々に実家に帰省しました。まあ帰省と言っても、せいぜい電車で数十分の距離です。それでも、家族の中では私だけが少々離れた所に住んでいます。そのため、何か用事やイベントが無ければ滅多に帰りません。昨日は、母の「マイナポイント第2弾」の申請と「ふるさと納税」の対応のために帰省しました。名目は何であれ、たまに家族と直接会って話ができるのは嬉しいものです。母からお礼に焼肉を奢ってもらいました。ごちそうさまでした。

マイナポイントの方は、少々予想外のトラブルに見舞われましたが無事申請できました。本日テーマにしたいのは「ふるさと納税」の方です。母はこれまで同制度を利用したことがなく、今年は利用してみたい、ということでした。

母は不動産賃貸業を営んでいます。元々は祖父が生前に法人化して営んでいた事業です。祖父の死後、母が不動産を相続し、2代目社長として今日に至るまで不動産経営を切り盛りしています。母は以前、不動者会社で働いていました。その経験も現在の不動産経営に活かせているものと思います。なお、その辺りのいきさつは別の記事でも触れたことがあります。

chikyu-pf.hatenablog.com

 

さて、急に下世話な話になってしまいますが、母の年収は高額です。具体的な額は伏せますが、私など足元にも及びません。というか、おそらく「会社員の給料」ではおよそ到達できない水準だと思います。私は実は割と有名な大企業に勤めていますが、仮に定年まで勤め上げたとしても、母の年収には達しないはずです。

そうであれば当然、母のふるさと納税の限度額(控除上限額)もそれなりに大きいわけです。ふるさと納税の原資は住民税ですが、細かい事はさておき、一般に所得が多ければ多いほど限度額も大きくなります。ただし、母の所得構成は一般的な会社員のそれとは大きく異なるため、限度額の計算がよく分かりませんでした。そこで、よくあるネット上の限度額シミュレーションを使って、母のふるさと納税の限度額を求めてみました。数字を見て、一瞬シミュレータがバグっているのではないかと疑いました。予想をはるかに上回る限度額です。もし私だったら、もう返礼品だけで生活できるかもしれません。母は絶対にふるさと納税を利用すべきです。

このように、個人的にはふるさと納税を大いに活用すべきと思いますが、一方で同制度は日本全体にとって問題が多いな、とも思いました。主に以下の3点が問題だと思います。

第一に、同制度は経済格差の拡大を助長します。本来、政府の主要な仕事は国民の経済格差を縮小することです。自由競争を是とする資本主義国では、時間の経過とともに貧富の差がどんどん拡大します。これに対して、政府は税を使って所得の再分配を行うことで格差の縮小を図ります。ところが、ふるさと納税は所得が多い人ほど得をする仕組みです。金持ち(高所得者)は得られる恩恵(限度額)が大きく、貧乏人(低所得者)は小さくなります。つまり同制度では再分配が逆に働き、むしろ経済格差拡大の方向に寄与してしまっています。

第二に、各自治体は激しい返礼品競争にさらされます。これは一見すると良いことのようにも思えます。ビジネスであれば、各企業が消費者のニーズを満たすべく競争し、優れた企業が勝ち残ります。このプロセスが繰り返され、やがて社会全体が豊かになります。しかし、地域住民に行政サービスを提供する自治体は、そもそも利益を追求して競争するような企業ではありません。ところが同制度の下では、各自治体が地域住民「以外」の住民のために返礼品競争に明け暮れることになります。これは明らかにおかしいと思います。

第三に、返礼品競争に敗れた自治体では公共サービスのレベルが低下します。これは第二の問題にも関連しますが、住民税は本来、当該地域住民への公共サービスの原資となるものです。その財源が、当該地域住民とは全く関係ない返礼品競争によって、他の自治体に流出してしまいます。ある自治体が返礼品競争に負けた場合、その自治体の住民は、本来得られるはずだったレベルの公共サービスを受けられなくなります。

ふるさと納税には他にも色々と問題がありそうですが、私が思う主な問題点はこんなところです。ここまで、素人のくせに偉そうに同制度の問題点をあげつらってしまいました。それでは、「じゃあ、お前は問題だと思っているふるさと納税を利用しないんだな?」と言われると、それは違うのです。日本全体の視点に立った一般論と、個人の視点に立った各論は異なります。個人としては、せっかく国が用意してくれた「お得な制度」をフル活用したいところです。私の場合、利用しないどころか、ふるさと納税が無ければもはや生活が成り立たない、というレベルで活用しています。実際ふるさと納税を利用して以降、お米、お酒、缶詰、ティッシュ、トイレットペーパー等を店舗で買ったことがありません。

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また、うちの壁掛け時計、充電式乾電池、その充電器、バスタオルなども、ふるさと納税の返礼品です。たぶん他にも色々もらっていますが忘れました。

ふるさと納税が一体いつまで続くのか分かりません。上記のとおり問題が多い制度なので、いつか廃止されてしまうかもしれません。しかし制度が続く限り、引き続き同制度をフル活用したいと思っています。また今後は母にも、ぜひ実り多き「ふるさと納税ライフ」を送っていただきたいと思います。

 

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