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君の名は。

金曜ロードショーで放送された「君の名は。」を視聴しました。超ヒット作なんで、いつか見たいと思っていたんですよね。以下ネタバレしておりますので、未視聴の方はご注意ください。

映画の前半では、都会の男子高生(瀧)と田舎の女子高生(三葉)の「入れ替わり」がコミカルに描かれます。大林亘彦の映画「転校生」の現代版といった感じです。

しかし、後半は一転してシリアスな要素が絡んできます。入れ替わりがピタっと止んでしまったため、瀧は心配して三葉の元へ向かいます。しかし現地で判明したことは、三葉の住む糸守は3年前に隕石落下によって消滅しており、三葉はじめ住人の多くが既に死亡している、という事実です。瀧が三葉と入れ替わる度に触れ合ってきた家族も友人も、実はとっくに死んでしまっていたのです。つまり入れ替わりには3年の時間差があり、これまで2016年の瀧と2013年の三葉が度々入れ替わっていた、ということが瀧にも視聴者にも明らかになります。なかなか衝撃の展開です。

その後、瀧は糸守消滅前の三葉と入れ替わることに成功し、住民を避難させるべく奮闘します。これが本物の三葉に引き継がれ、2人は隕石衝突前の住民避難を成し遂げます。この過程で、瀧と三葉はごく短時間(カタワレ時の間)、3年の時を超えて直接会い、話をすることができます。とても感動的な場面です。

実は3年前に、瀧は三葉と一度会っていました。三葉もまた、以前に瀧を直接訪ねていたのです。しかしその時の瀧は入れ替わり体験前の中学生だったため、三葉のことを認識できませんでした。こういう伏線が織り交ぜられることで、上記のやっと2人が時を超えて出会い、認識し合うことができた、という場面が一層感動的になります。

数年後、2人は入れ替わりの記憶を無くすも、それぞれ薄っすらと切実に誰かを求めながら暮らしています。物語のラスト、2人は神社の階段で再会して、お互いに感極まりながら「君の名前は」と尋ねます。

さて本作、ストーリーが良く練られていて面白いです。ただの入れ替わりモノと見せかけて、そこにタイムラグの概念、大勢の人間を災厄から救い出す、といった要素が加わっています。おそらく、公開当時はまだ人々の記憶に新しい、現実の震災を意識したものでしょう。

また入れ替わりも「階段から転げ落ちたら入れ替わっちゃったよ」といった単純なものではなく、そこに意味や必然性を込めています。もともと三葉の家系は「糸守を守る」一族で、そのために先代の女性たちも「入れ替わり」を経験していたことを祖母(一葉)が仄めかしています。1200年ぶりの隕石落下に備えて、彼女たちは1000年以上に渡ってバトンを引き継ぎ、ちょうど本番を迎えたのが三葉だった、と推測できます。この話は表面上は「2人の男女が入れ替わる」ものですが、上記の背景を踏まえると、三葉が一族の重要な役割を果たすために瀧を召喚した、とも取れます。

ストーリー以外では、とにかく絵が綺麗です。私は東京に住んでいますが、作中の東京は現実以上に綺麗で輝いていました。BGMも物語にマッチしていて、場面ごとにうまく挿入されていると思いました。この映画で一躍有名になった「君の前前前世から僕は♪」の曲です。あと細かいところですが、三葉の高校のユキちゃん先生って「言の葉の庭」の雪野先生なのかな。監督が同じなので、遊び心で再登場させたのかも、なんて思いました。

本作はただコミカルな映画と見せかけて、意外とストーリーや設定がしっかりしています。もう1回見たいなと思いました。いつかまた金ローで放送されるのを待つとしますか。

 

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