昨日、10月の米PPIが発表されました。前年同月比で8%、前月比で0.2%の上昇です。市場予想はそれぞれ8.3%と0.5%でしたので、いずれも予想を下回りました。伸び率の鈍化から米インフレのピークアウトが期待され、ドル安および米株高となりました。
PPI(Producer Price Index、生産者物価指数)は、製造業者の販売価格の変動を数値化したものです。日本の「卸売物価指数」に相当します。一般にPPIはCPI(消費者物価指数)の先行指標となります。今回のPPIの数字から、今後のCPIの伸び率も更に鈍化するものと期待できます。なお、先日発表された米CPIも(総合、コアともに)市場予想を下回っていました。
米インフレはついにピークアウトしたかもしれません。すると、FRBの利上げ幅も小さくなる可能性が高まります。FRBは先日のFOMCで、既に利上げ幅の縮小を仄めかしていました。利上げ幅の縮小は、米株価の上昇要因となります。それは同時に地球PFの上昇要因でもあります。ただし、円ベースの評価額はドル安(→円高)との綱引きとなるため、どうなるか分かりません。あまり期待せずにウォッチしていこうと思います。
さて、米インフレ率は仮にピークアウトしたとしても、依然として高い数字です。もっと下がるまで、FRBは金融引き締めを継続するでしょう。現時点で、最終的な政策金利は5%程度になると予想されています。つまり、根本的に厳しい市場環境が続くことは変わりません。米国株は(地球株も)少なくとも来年いっぱいは低迷するものと思っています。低迷する程度で済めば良い方で、米経済のリセッションも懸念されています。そうなれば地球PFにも大打撃となりますが、地球PFは地獄の底まで付き合う所存です。
何はともあれ、ようやく米インフレのピークアウトの兆しが示されました。これまではインフレ収束の気配が全くなく、私も含め大半の投資家はかなり不安だったものと思います。今回の米PPIを受けて、多少なりとも霧が晴れてきた感があります。このままインフレが収束に向かうことを期待したいと思います。
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