地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

Nスぺ「混迷の世紀」、世界フードショック

NHKスペシャル 混迷の世紀「第4回 世界フードショック ~揺らぐ『食』の秩序~」を視聴しました。「混迷の世紀」は、ロシアの侵略戦争をきっかけに世界がどういった状況に陥ってしまったかを、様々な観点から俯瞰するシリーズ番組です。今回のテーマは食料。世界も日本も、食料危機「フードショック」の真っ只中に居ることが良く分かりました。

ロシアとウクライナは主要な食料輸出国です。この両国が戦争に突入したため、世界中で食料価格が高騰してしまいました。世界はいま食料争奪戦の様相を呈しています。

食料安全保障の基本は「海外からの輸入+自国での生産」です。しかし日本は食料自給率が低く、全体の6割を輸入に頼っています。ロシアの侵攻に加えて昨今の円安で、食料品は記録的な値上げに直面しています。小麦価格は今年3月に史上最高値を更新しました。トウモロコシや大豆の価格も同様の動きです。

なお、お米は自給率100%を超えています。しかし化学肥料の価格も高騰していて、このままでは米農家の93%が赤字になると試算されています。また家畜の餌の価格高騰も凄まじいです。全国の畜産企業を対象にしたアンケートでは、72.2%が資金繰りに苦労しており、94.8%が販売価格に転嫁できないそうです。

一方、世界の主だった食料輸出国は続々と「輸出規制」をかけています。既に26か国が「自国ファースト」の姿勢を鮮明にしています。この動きが加速すれば、輸入頼りの日本は大変危険な立場となります。今回のテーマに限りませんが、日本の未来は大丈夫なのかと不安になります。

この状況下で、ロシアは食料を武器として外交を展開しています。ロシアは食料自給力が低い中東諸国に売り込みをかけ、中東諸国はこれを歓迎しています。また、中国はブラジルの穀物企業を盛んに買収し、両国の関係が急速に深まっています。ブラジル農家には中国の肥料が不可欠だそうです。日本もブラジルに軸足を置こうと動くも、既に中国の後塵を拝しています。

このように食料の面でも世界中が混迷を極めていますが、そもそも昨今の異常気象で食料自体が減っているそうです。そこへきて、ロシアとウクライナの戦争がダメ押しになってしまいました。フランスの経済学者ジャック・アタリは、「過去4000年、世界で起きた戦争は常に食料不足が関係していた」「飢餓に陥ると人々は暴動を起こす」と警鐘を鳴らします。その上で、日本は農業をもっと魅力的な産業にする必要があること、食を「豊かさの象徴」から「生きる土台」へと捉え直す必要があることを指摘しました。

日本は今後、全国的に農業や食に対する意識を転換して、遅まきながら食料自給率を上げる取り組みを加速しなければならないでしょう。日本の食の未来について、色々と考えさせられる番組でした。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~