今年10月の現金給与総額が公表されました。前年同月比で1.8%増え、10か月連続の上昇です。現金給与総額は、労働者1人あたりの現金給与の総額です。残業代も含まれています。
一方、物価の変動を反映した「実質賃金」は前年同月比で2.6%減り、7か月連続の減少となりました。約7年ぶりの大幅落ち込みだそうです。給料の数字は確かに増えているものの、それが物価の上昇率に追い付いておらず、実質的な賃金はマイナス、という状況です。そんな状態が7か月も続いています。私は給与明細を特に見ていませんが、おそらく同様の状況なのでしょう。
他方、国内企業の経常利益総額は前年同月比で18.3%増え、7~9月期では過去最大を記録しています。こちらは7期連続の増益で、比較可能な1954年以降で最大だそうです。
私は兼業投資家なので、会社員としては実質賃金の減少が悲しく、投資家としては企業利益の増加が嬉しい、という矛盾した思いを持っています。いずれにしても、以前から投資していて良かったです。
現金の価値がインフレで減少する、実質賃金もマイナス、という状況では、「投資していない会社員」が最も報われません。昨今は厳しい相場環境が続いていますが、株式を中心として広く分散されたポートフォリオを保有しておけば、長期的には報われる可能性が高いと思っています。
地球PFが最善のポートフォリオかどうかは分かりません。地球PFはあらゆるリスク資産の集合体です。高度に分散しているとはいえ、それなりに激しく変動します。しかし個人的には、運用先が貯金だけ、つまり100%日本円のポートフォリオよりも、実は地球PFの方が安全なのではないかと思っています。
一般に経済は緩やかなインフレを辿る傾向があります。その観点から、おそらく長期的には、預貯金や国債等の名目資産より、株式や不動産等の実物資産を重視する必要があるだろうと思います。もっとも、地球PFはある意味で全天候型のポートフォリオなので、名目だろうが実物だろうが何でもありです。
実質賃金がマイナスという時代です。今後は資産を「増やす」ためだけではなく、資産を「守る」ためにも投資が必要かと思います。
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