日銀は9月19日の金融政策決定会合で、ETFおよびREITの売却を決定しました。100年以上かけて売却するとのことです。今回の日銀会合、利上げ見送りは大方の事前予想どおりでしたが、このETF等売却はサプライズでした。ようやく金融政策が正常化されます。
日銀は金融緩和策の一環として2010年からETFの買い入れを開始し、昨年3月に買い入れを終了しました。買い入れ額の簿価は約37兆円、これが今では時価80兆円を超えています。売却は年間3300億円程度(簿価)のペースで行うとのことです。その場合、単純計算で売却終了までに113年かかります。
ETF売却について市場は概ね好意的に捉えているようです。日銀の発表当初は日経平均株価が一時800円以上下落しましたが、その後持ち直しました。それどころか史上最高値を連日更新しています。出口戦略が明確になった上に、年間の売却額が小さかったことがポジティブに受け止められたのでしょう。
無職の私ごときが言うのも何ですけど、植田総裁率いる日銀ボードメンバーは大変有能だと思います。市場関係者の多くは、日銀の金融政策正常化について「本当にできるのか?」「出口戦略はあるのか?」と不安に思っていました。当ブログでも時々この点に触れてきました。その中で、日銀は日経平均が連日史上最高値を更新しているこの絶好のタイミングで、市場への影響を抑えるべく100年以上にわたる超長期の売却、金融政策正常化に踏み切ります。タイミング的にも内容的にも見事です。
一方で「そもそも売る必要があるのか?」「このまま持っておいて、政策の財源として活用した方が良い」という意見もあります。それも分からなくはありません。しかし、今や日銀は日本株全体の7%を間接的に保有しています。中央銀行がこれだけのリスク資産を保有していること自体が異常です。ある意味で社会主義国のようになっています。やはり売却して金融政策を正常化させるのが筋でしょう。
日銀は「お金を発行する」中央銀行なので、本来お金を稼ぐ必要は全くありません。それにもかかわらず、ある意味で物凄く成績の良い機関投資家のようです。37兆円で買った資産が80兆円以上にもなり、それをこのタイミングで売り始めるという凄腕です。また、ある意味でFIRE民の鑑のようにも見えます。買い13年、売り113年。鬼の入金力をもって短期間で資産を形成し、今度はゆっくりと少額ずつ取り崩していきます。見事としか言いようがありません。
日銀の100年以上にわたるETF売却、世代を超えて完遂まで頑張っていただきたいと思います。その時の日本が一体どうなっているのか、もちろん私も見届けることができません。100年後の日本も平和な国でありますように。
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