日銀の次期総裁として雨宮現副総裁が有力視されています。日経新聞(電子版)は、政府が雨宮氏に総裁就任を打診した旨を報じました。日銀総裁の人事は、財務省出身者と日銀出身者が交代で就任する慣習になっています。黒田現総裁は財務省出身、雨宮現副総裁は日銀出身なので、報道が正しければ慣習どおりとなります。
雨宮氏は副総裁として、黒田総裁と共に異次元緩和を推進してきました。また予算委員会等での発言から、金融緩和の継続を是としている姿勢が伺えます。多くの市場関係者は、総裁交代によって金融政策が引き締めに転じることを恐れていました。
その意味では一安心といったところだと思います。
報道を受け、ドル円は132円台と、約1か月ぶりの円安となりました。日系平均も上昇です。雨宮氏の総裁就任は、地球PFにとっても基本的にプラス要因となります。地球PFにとって短期的な主要リスクは円高だからです。ドル円が円安へと向かい、私も一安心です。
日銀は今後、難しい舵取りを求められます。日本でもインフレが進行する中、景気は必ずしも良くなく、利上げ政策を取れません。一方でYCCの弊害が吹き出しており、どこかの段階でYCCを撤廃しなければならないでしょう。綱渡りのような状況です。雨宮氏の心中は分かりませんが、本当はこんな状況で総裁就任なんて引き受けたくないのではないでしょうか。
ところで、地球PFを構成するETF群のほとんどはドル建てです。そのドルは、円高の時にドル転したものです。いずれ枯渇するので、また円預金をドル転する必要が出てきます。ドル転するタイミングは、やはり円高の時が望ましいです。しかし雨宮氏が総裁になるのであれば、そのタイミングはだいぶ先になるかもしれません。場合によっては、円安であっても躊躇せずにドル転するかもしれません。いずれにしても、日銀の総裁人事で地球PFの運用が大きく変わることはないと思います。
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