地球PFでは現在、地球債の割合増に努めています。これを今年の課題として、年初の投資戦略に掲げました。
「地球債」とは私が勝手に名付けた呼称で、要するに地球株の債券バージョンです。もっとも、地球株についても私がそう呼んでいるだけであって、一般には全世界株と言われています。そう考えると、地球債は「全世界債券」と言った方が通じやすいかもしれません。当ブログでは今までどおり地球債という名称を用います。
さて、地球債はなるべく地球全体の債券に投資するべく、米国債「AGG」と、米国以外の先進国債「BNDX」を組み合わせたものです。当初は、地球債に新興国債「VWOB」も含めることを検討しました。しかし、同ETFのコスト、カバー範囲(VWOBは政府債券だけが対象)、そして地球PFの小さい資産規模を考慮して、当時は追加を見送りました。今後、地球債にVWOBを加える可能性があります。いずれにしても、現状の地球債はAGG+BNDXです。
この地球債、呼び方はともかくとして、どうも世間であまり注目されていないように思います。私は昨年9月にtwitterの投資アカウントを作り、主に投資家が集まっているクラスタ、いわゆる「株クラ」に居つきました。そこでは様々な投資家が色々な発信をしているため、情報収集の場として重宝しています。しかし、投資情報のほとんどは「株式」に関するものです。中には「債券」を主とする投資家も居ますが、非常に少ない印象です。また、そこで言及される債券はほとんど全て「米国債」に限定されます。米国以外を含めた地球債に関するツイートはほぼ見かけません。
この状況は地球株と著しい対照をなしています。株クラにはインデックス投資家も多く、一大勢力を形成しています。彼らはよく、全世界株(地球株)と米国株の優劣を比較しています。私はいちおう全世界株派ということになりますが、それは今回問題ではありません。問題は、この優劣比較の債券版はほとんど見られない、ということです。つまり「全世界株vs米国株」は飽きるほど語られる一方で、「全世界債券vs米国債」には誰も言及しません。たまに債券の話題がありますが、それはほぼ例外なく米国債に関する言及です。近頃はFRBの利上げ停止が意識され、特に米長期債が注目されています。地球債が云々と時たま呟いているのは、下手したら私くらいしか居ないのではないでしょうか。何とも寂しいものです。
かつて「グロソブ」という愛称の投資信託が大流行しました。20年くらい前だと思います。正式名称は「グローバル・ソブリン・オープン」で、世界中の国債に投資する商品です。グロソブは「タコ足分配」(元手を切り崩す)の投信の先駆けで、後に激しく批判されました。グロソブは国債に限定した地球債みたいなものです。商品設計は酷いものでしたが、地球全体の国債に投資する、というコンセプト自体は素晴らしかったと思います。いずれにしても、当時はこういった地球債のような考え方が注目を集めていました。今となっては隔世の感を禁じ得ません。
債券クラスの中で特に米国債が注目され、地球債があまり注目されないのは、そもそも債券に期待される役割が「低リスク」「安定」「安全」といったものだから、という面もあるかもしれません。株式であれば、最近インド株などが注目されています。確かにインドは今後急成長しそうな国の一つです。あるいは、そういった新興国の成長も取り込もうということで、新興国株までカバーする地球株に投資する、といった戦略は自然に感じます。一方、より安定性が重視される債券においては、とりあえず地球上で一番安全な資産と思われる「米国債」を持っておけば十分であり、わざわざ米国よりリスクが高い国の債券を持つ意味が無い、という考え方も成り立ちます。これは確かに一理あると思います。
しかし、私は地球PFのポリシー上、やはり債券においても「一部の国に限定する」戦略は受け入れ難いです。結局のところ、米国がいつまでも地球最強の国家であり続けるとは限りません。そうであれば、株式であろうと債券であろうと、特定の国に集中投資するのは危ないのではないかと思います。今後も米国債に限らず「地球債」に投資していきたいと思います。
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