地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

日銀副総裁の答弁

12月2日の参院予算委員会で、日銀の雨宮副総裁が答弁しました。日銀は9月決算時で、保有国債に8749億円の評価損が発生しています。16年半ぶり、かつ過去最大の評価損です。副総裁は、この状況で日銀の信用は保持されるのか、という質問に対して答弁しました。

答弁の内容は非常に興味深いものでした。まず、中央銀行の財務は一般企業や金融機関と全く異なる点に言及しています。つまり、中央銀行は「お金を発行」できます。その上で、赤字、評価損、実現損が短期的に生じても、金融政策の遂行能力が損なわれることはない、と明言しました。

答弁の中で、日銀は「支払い能力に毀損が生じたり、経済取引が出来なくなるという事はない」と説明しています。中央銀行は一般企業等とは異なり「通貨発行権」を行使できます。また現代の通貨制度は、通貨の発行量を調整できる「管理通貨制度」です。要するに、日銀は必要な分のお金をいくらでも発行できるのだから、支払いに困るといったことはあり得ない、というわけです。

ただし、これはあくまでも形式的なロジックです。副総裁は答弁で「短期的に赤字が出ても」「赤字、評価損、実現損が短期的に生じても」と、「短期的」という文言を繰り返しています。いくらお金を発行できるといっても、闇雲に発行すれば通貨安とインフレを招いてしまいます。中央銀行の大切な役割は、そうならないように通貨の価値を守ることです。

とはいえ、確かに「お金の発行者」である日銀は、自分でお金を作り出せるのですから、「お金が足りなくて困る」ということはありません。この点は、私たち「お金の利用者」には想像し難い事実です。私たちは、お金が足りなければ頑張って稼ぐか、一時的に借りて凌ぐしかありません。ところが日銀は、お金が足りなければ自分で刷れば良いのです。両者の立場は根本的に異なっています。

実は私の姉妹サイト「お金と労働と地球株」では、お金の発行者と利用者を明確に区分けして、お金の発生と流通を検討しています。その上で、現代の通貨制度では各国の銀行がお金を供給し続けざるを得ず、お金は長期的に地球上で増え続けることを説明しています(参照:1-10. 地球上で増え続けるお金)。

そのお金は、銀行に返済されない限り、必ず地球上の何らかの資産に行き渡ります。その前提の下、なるべく地球全体の資産を保有しておこう、というのが地球PFの戦略です。

それにしても、中央銀行によるお金の発行といったマニアックな話が国会で取り上げられる時代が来ようとは、なかなか感慨深いものがあります。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~