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日本はアルゼンチンの後を追っているのか

先日のアルゼンチン大統領選で「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれる極右の経済学者、バビレイ・ミレイ氏が勝利をおさめました。これまでの左翼政権から右翼政権へと一気に転換します。

ミレイ氏の公約が凄まじいです。まず省庁を削減し、社会保障等を段階的に廃止します。税金も削減します。要するに「小さな政府」にします。更に自国通貨ペソを放棄して、法定通貨を米ドルに置き換えます。その上、中央銀行を閉鎖します。まさに超劇薬です。

しかし、アルゼンチン国民はこれらの公約を支持しました。何故でしょうか。アルゼンチンは深刻な財政赤字を抱えており、激しいインフレに見舞われています。ペソは大幅に下落していて、当の国民が受け入れていません。多くのアルゼンチン人は、ペソを手放して米ドルを貯め込んでいます。そして、主要な経済取引は米ドルで行われています。つまり、事実上ペソも中央銀行も破綻しており、既に米ドルが法定通貨のようになっています。ミレイ氏の経済政策は一見極端ですが、実のところ現状を追認するだけなのかもしれません。

とはいえ、新大統領の各種政策はこれまでの分配政策とは真逆であり、国民に激しい痛みをもたらします。それでもおそらく、破綻したアルゼンチン経済を再建するために避けられないプロセスなのでしょう。仮に今回ミレイ氏が負けていたとしても、いつか誰かがこれをやらなければならなかったものと思います。

ところで、アルゼンチンの状況は日本にとって対岸の火事なのでしょうか。どうも、日本はアルゼンチンの後を追っているような気がしてなりません。財政は慢性的に赤字で、昨今は激しい円安に陥っています。それでも日銀は緩和を止められず、物価が上昇しています。一部投資家は円を米ドルに替えたり、外貨建て資産への投資に躍起です。

もちろん、まだ日本はアルゼンチンの状況には程遠く、円安もインフレもどちらかと言えば外的な要因で発生しています。しかし、日本の財政赤字は今後も増え続ける見込みです。少子高齢化が一層進み、必要な社会保障費は増える一方です。このまま財政赤字が収束せず、日銀が通貨供給を止められなければ、日本もやがて激しいインフレに見舞われ、その行き着く先はアルゼンチンと同じでしょう。その時、日本にミレイ氏のような人物が現れるのか分かりません。

思えば日銀の異次元緩和は2013年から始まりました。当時から、日銀の本当の目的はデフレ脱却というより、実は低金利の維持なのではないか、という意見がありました。日本はあらゆる面で「低金利じゃないと困る」国になっています。その状態を維持するためには、日銀がほぼ永続的に円を供給し続ける必要があります。

日銀の真の目的は低金利の維持、というのは、やや陰謀論チックな主張です。しかし、結局なんだかんだで、10年経った今でも緩和を継続しています。もし陰謀論が真実なら、日銀もアルゼンチン中央銀行と本質的には変わらず、既に中央銀行の体を成していません。破綻は時間の問題ということになります。そうでないことを祈ります。

 

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