地球PF運用ブログ

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マルチ商法一家

消費者庁は先月、「日本アムウェイ」に対して6か月間取引停止の行政処分を命じました。アムウェイは、いわゆる「マルチ商法」の業界最大手です。会員約60万人、年間売上高約1000億円の規模を誇ります。

マルチ商法とは、会員が新規会員を勧誘し、その新規会員がまた別の新規会員を勧誘する、といった形で連鎖的に組織を拡大していく販売形態です。階層的な組織構造から「マルチレベル・マーケティング」、連鎖的な組織形成から「連鎖販売取引」とも称されます。もっと通俗的な言葉でいえば「ねずみ構」です。マルチ商法の実践者は「ねずみ構とは違う」と言いますが、私のような素人にはその違いがよく分からないほど両者は類似しています。

会員の勧誘において、一般に勧誘する方を「親会員」、勧誘される方を「子会員」として区別します。親会員は子会員を勧誘することで紹介料を得ます。勧誘の際には「簡単に稼げる」「高収入を得られる」「不労所得を得られる」などといった謳い文句が使用されます。たまにファミレスや喫茶店で勧誘の現場を目にすることができます。

このマルチ商法、実は私の家族が過去に実践していました。最初に弟が当時業界第2位のマルチに手を出し、その後に母が同3位のマルチへと続きました。ちなみに同時期、私の友人はアムウェイに精を出していました。つまり当時の私は、業界第1位から第3位までのマルチ商法実践者にぐるりと囲まれていました。

母はパンフレットを見ながら、その「ビジネスモデル」に感心していました。「会員が増えるとエグゼクティブになって、そうなるとボーナスが凄くて」などと私に説明してくれましたが、聞けば聞くほどただのマルチ商法なのです。私は母に「本当にそんな具合に会員が増えたら数十世代で地球の人口超えちゃうよ」「儲かるのはスタートの方の会員だけじゃないかな」と不安を告げましたが、無駄な試みでした。

母は当初、弟の人脈に期待していたようです。しかし目論見が外れ、自分で商品を購入していく一方の「自爆営業」状態に陥りました。やがて母は「ビジネスじゃない、商品が良いから買ってるだけ」と言うようになりました。一度始めたことや言ったことに対して一貫性を保とうとする態度を、心理学で「コミットメントと一貫性」と言います。当時の母は、まさにコミットメントと一貫性に囚われていたのかもしれません。

そんな商品群の中に、頭が良くなるといったジュースがありました。その名も「アインシュタイン」。ギャグかと思いましたよ。小林製薬に匹敵するネーミングセンスです。相対性理論で宇宙の真理を予想できた天才アインシュタインでも、まさか自分の名前が死後マルチ商法に利用されるとは予想できなかったことでしょう。このアインシュタイン、けっこう美味しかった記憶があります。ただし、頭は全く良くなりませんでした。

その後、母も弟もマルチ商法から手を引きました。いつの間にか口にもしなくなり、まるで何事も無かったかのように、家族史からマルチ商法の項目がひっそりと抹消されました。やはり儲からないのでしょうね。みなさま、マルチ商法に気を付けましょう。

 

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