地球PF運用ブログ

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父との思い出

今日は父の日なので、父との思い出について記事にしたいと思います。

父は私が幼い頃からほとんど家に居ませんでした。そして私が小学生のときに父母は離婚し、母子家庭となりました。そのため、私は父と数回ほどしか会ったことがありません。

父は元暴走族の総長であり、元ヤクザです。現在は足を洗い、新しい家族と共に真面目に生きています。父が率いていた暴走族はその筋で割と有名なようで、ドキュメンタリー映画に取り上げられたこともあります。

そのため、ご年配の方であればご存じの方も居られるかもしれません。私の元上司も父のことを知っていました。以前、私の素性が社内でバレた時に「え、お前、〇〇の息子なの!?」と驚いていました。

ちなみに社内で素性がバレたのは、弟が某芸能人の親族を恐喝して逮捕され、ニュースで名前が報道されたためです。私の名字はかなり珍しいため、それまで何とか社内で素性を隠し通して来ましたが、この逮捕報道で一気に身バレしてしまいました。

さて、父と母は幼馴染です。以前、母が「中学ん時は2人で押入れに入ってアンパン吸ってた」と楽しそうに話していたのを思い出します。アンパンと言っても、食べる方のパンではありません。シンナーのことです。

弟にとって、父はある意味で「尊敬する人生の大先輩」なんだと思います。どちちも元ヤクザで、生き様が非常に似通っています。弟は父と同じ業界に属していたからなのか、私よりは多少なりとも父と交流があったようです。また、父に対する思い入れが深いようでした。

一方、私は父に対して思い出もほとんど無ければ、生き方も全く違うため、思い入れもありません。そういうわけで、私は成人するまで父親という存在を全く意識せずに生きてきました。

ところが、私が大学生か大学院生だった頃、父から十数年ぶりに連絡が来ました。金儲けの元手が必要であるため、私に学生ローンを組ませて資金を調達したい、という用件でした。何しろ父は元ヤクザで経歴が真っ黒だったため、どこからも借金できなかったようです。

金儲けの内容は「友人から聞いた競馬の必勝法」だそうで、要するに馬券を買う資金を私から引っ張ろうとしていました。結局この「事業」の話は無くなりましたが、この一件で、父にとって私がどういう存在なのか良く解った気がしました。

ところで、もし「投資だって競馬と同じくギャンブルではないのか」と言われれば、私は否定しません。実際そのとおりだと思います。ただし、投資が競馬と大きく異なるのは、前者は全体のパイが増えるプラスサムゲームのギャンブルで、後者はその逆である、という点です。私が以前「地球株」を運用していたのも、現在「地球PF」を運用しているのも、端的に言えば「長期的には全体が増える」と思っているからです(参照:お金と労働と地球株 - 3-2. プラスサムゲーム)。当時、父の周囲に「マイナスサムゲームは割に合わない」と教えてくれる人は誰もいなかったのだろうか、と悔やまれます。

話を戻します。競馬の一件以降、またしばらく父とは交流が途絶えました。しかし、あるきっかけで数年前からちょくちょく連絡が来るようになりました。

ある日、父から「久々に飯でも食おう」と誘われ、ノコノコと会いに行きました。ファミレスで会いましたが、父と私との間に共通の話題があるわけもなく、ダラダラと世間話をしていました。しばらくして、予想外の展開になります。「これから嫁さんと娘も来るからよ」と、父が唐突に言い出したのです。

以前に弟から「俺らに腹違いの妹が居るらしいよ」とは聞いていました。しかし当時は、そうだとしても一生会うことも無いだろう、と気にも留めませんでした。それが、まさか急に会うことになるとは思いませんでした。

やがて2人がファミレスに到着し、父の現在の家族と初めて対面しました。私は「は、はじめまして。えーと、、父の前妻の方の息子です」と、ぎこちなく挨拶しました。そして微妙にいたたまれない気持ちになりながらも、4人でご飯を食べました。

さらに予想外の展開が続きます。父は「うち来いよ、ここからすぐ近くだから」と言い出し、父の現在の家に突然お邪魔することになりました。父の家に着き、コーヒーをいただき、しばらく呆然としながら家族のやり取りを見ていました。

私はこの時、色々な意味で、生まれて初めて「普通の父親」を身近に見ました。この家では、父は奥様を労り、娘の成績や進路を心配する、まさにドラマや映画に出てくるような普通の優しい父親なのです。飼っている犬まで紹介してくれて、これまで父に抱いていたイメージとのギャップに驚愕しました。

とりわけ驚いたのは、娘の教育への関心の高さです。父は娘を塾に通わせており、学校での成績を「学年で何位」といったレベルで細かく把握していました。中間テストや期末テストの直前には、家の中もピリピリした雰囲気になるということでした。

これには心底驚きました。父は中卒です。母も弟もそうです。私の家では、勉強など塵ほどの価値もありませんでした。

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一方で、私は高校で学年1位の成績でした。この高校ではご丁寧なことに、テストの数日後、一部の科目で成績優秀者を記載したプリントが配布されました。いつも私の名前がリストの一番上に載っています。このプリント、私は家に持ち帰ったことがありませんでした。特に見せる人も居ないので、いつも学校のゴミ箱に捨てていました。あのプリントは、本当は父のような人間が見るためのものだったのかもしれません。

こうして、驚きの連続だった一日が終わりました。

その後も父からは何度か連絡があり、2回ほど会ったと思います。しかし、気にかかることがありました。父の現在の家族と会った日を含め、毎回、何らかの理由で私が父にお金を貸していました。会う名目は毎回違いますが、すべての道はローマに通ずの如く、最後には「金を貸してくれ」という話に行き着くのです。もっとも、いずれも数万円ほどで、ちゃんと全て返って来ましたが。そういうわけで、結局のところ私と会う目的は「金」なんだろうな、という疑念を今日まで払拭できていません。

父は現在、身体がかなり悪く、入院しています。最後に連絡が来たのは、数日後に大きな手術が迫っている、というタイミングでした。これがつい先日です。もう手術は終わったと思いますが、成功したのか失敗したのか判りません。

しかし、父は絶対に生きて戻らなければなりません。今や守るべき新しい家族が居ます。もう一つ、些細なことですが、死んではならない理由があります。

父さん、あなたは息子から「実の子から金を引っ張ることしか考えていない、名実ともにヤクザな人間」だと、疑惑を抱かれたままですよ。ここで死んでしまえば、疑惑が真実になってしまいます。不名誉な疑惑を晴らすためにも、必ず無事に退院して、また元気な姿を見せてください。

 

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