地球PF運用ブログ(FIRE生活中)

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サイゼリヤで赤の他人から色々奢ってもらった

昨日の夕方、近所のサイゼリヤに行きました。ドリンクバーを単品で頼んで、スマホを眺めながらイヤホンで音楽を聴いていました。休日を実感できる至福の時間です。

私の典型的なサイゼリヤでの食事はこうです。まず、ドリンクバーを単品で頼んで、コーヒーやドリンクをガブガブ飲みます。まだ夕食には早い時間帯に行くことが多いため、最初はドリンクしか頼みません。数時間後に「ミラノ風ドリア」か「ペペロンチーノ」を頼みます。どちらにするかはその時の気分次第ですが、ドリアの割合が高いです。このとき、店員さんに「すみません、ドリンクバー単品で頼んでました。これセットにしてもらって良いですか?」と言います。ドリンクバーは単品だと300円、セット価格だと200円なので、ここで必ずセットにしてもらわなければなりません。ミラノ風ドリアとペペロンチーノはいずれも300円です。セットドリンクバーを含めて、これで計500円となります。ドリアかパスタを食べ終えたら、またドリンクガブ飲みタイムに戻ります。つまり安いものしか頼まないくせに長居する、割と迷惑な客です。いつもすみません。ちなみに、店が混んでいたら空気を読んでさっさと帰ります。

昨日もこのプランで過ごす予定でした。17時頃、隣のテーブルに2人組のおばあちゃんが来ました。それから1時間後くらいでしょうか、おばあちゃんの1人が私の方に手を向けていることに気が付きました。私はスマホを見ながら音楽を聴いていたため、しばらく呼びかけに気が付いていなかったようです。驚いてイヤホンを外し、「あ、すみません、私ですか? 何でしょうか?」と尋ねました。すると、「ピザが2切れ余ったから、良かったら食べない?」ということでした。さすがに赤の他人からピザをもらうのはまずいだろうと思い、いったん丁重にお断りしました。

しかし、おばあちゃん2人がピザの提供について口論し始めてしまいました。「あんた、初対面の人にそんな残り物なんか薦めて、食べるわけないでしょ!」「だって可哀そうじゃない。痩せてて、ずっと飲み物しか飲んでなくて。見てられなくなったのよ」。え、私はそんなにみすぼらしく見えるんですか。。まあそれは良いでしょう。取り急ぎ2人の平和のために、私は「あの、それじゃ、お言葉に甘えまして頂きます、ありがとうございます」と言って、ピザを頂きました。美味しかったです。

その後、私はペペロンチーノを頼んで、もしゃもしゃと食べていました。なお、この時イヤホンは外していました。万が一また呼びかけられた時に気が付かなかったら失礼になると思ったからです。しばらくすると、その万が一が来ました。おばあちゃんが「ねえ、あなた、赤ワイン飲む?」と言ってきました。隣のテーブルに目をやると、デカンタの赤ワインがたんまりと残っています。私は「いやいや、結構です。先ほどのピザでもう十分ですよ。ここはお気持ちだけで。」とお断りしました。しかし、おばあちゃんは「辛くてとても飲めないのよ、余らすのはもったないから飲んでよ」とけっこう強く薦めてきました。私は仕方なく、「本当に良いんですか? それじゃ、またお言葉に甘えまして頂きます、ありがとうございます」と言って、赤ワインを頂きました。この赤ワイン、サイゼリヤのくせに意外とうまいんだな、と思いました。確かに酸味は少々強いかもしれません。

赤ワインを飲んでいると、おばあちゃん達の会話に何となく私も加わざるを得ない雰囲気になりました。私は「あの、お2人はどういう関係なんですか?」と、全く興味が無い質問をしました。2人とも定義上の高齢者で、50年来ほどの友人関係だそうです。1人は公営住宅に住んでおり、週に3回の透析を受けていて大変だということでした。もう1人は過去に水商売関係の店を持っていたことがあり、経済的にかなり成功したとのことでした。本当かどうか分かりませんが、「私は区長にも顔が利くのよ」と豪語していました。私は一瞬、「そんな人がサイゼリヤで飯食うのかな」と不遜なことを思ってしまいましたが、それは言わないでおきました。

こうして話をしながら、なんだかんだでグラタンと白ワイン(デカンタ)を追加で奢ってもらいました。もちろん最初はお断りしましたが、「遠慮しないの、3人の仲じゃないの」と気前よくオーダーしてくれました。出会って数時間ほどしか経っていなかったと思いますが、もう私は仲間として認定していただけたようです。

私は長らくサイゼリヤを愛用しています。しかし、全くの赤の他人から色々奢ってもらったことなどありませんでした。昨日は白ワインを飲みながらも、いまいち事態を飲み込めていませんでした。これはどういう状況なんだろう、いわゆるパパ活みたいなものなんだろうか、いや、性別が逆だからママ活になるのか、更に年齢を考慮するとババ活といったところか、そんな言葉あったっけな、そもそも私もおっさんだしな、等と少し混乱していました。

しばらくして、おばあちゃんから「あなた、野菜ちゃんと食べてるの?」と言われました。明らかにサラダを奢ってもらえる流れです。私は刹那に葛藤しました。初対面なのにもう大分奢ってもらっている、これ以上はまずいのではないか、断るべきだ、でもここまで来たら、もうサラダが追加されたところで同じではないか。私は葛藤の末に「いやー、バレちゃいましたか。実は1人暮らしで、どうしても野菜不足になっちゃうんですよね。困りものです。」と言いました。そしてグリーンサラダを頂きました。

結局3人で閉店まで飲み食いし、店を後にしました。昨日奢ってもらった料理のほとんどは、実はサイゼリヤで初めて食べたものでした。どれも美味しかったです。おばあちゃん達はこんなに色々と奢ってくれたにもかかわらず、最後に私に対して「こんなババアの話を聴いてくれてありがとね」と言いました。とんでもないです。おばあちゃん、あらためて昨日はありがとうございました。東京砂漠も捨てたもんじゃないなと実感した一日でした。

 

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