地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

全世界株:米国株=ラーメンセット:ラーメン単品

インデックス投資において「全世界株か米国株、どちらに投資すべきか」はお馴染みのテーマです。twitter(の株クラ)でもしょっちゅう話題になっています。私はこんなブログを運営しているくらいなので、どちらかと言えば全世界株派です。以前これに関して記事にしました。

chikyu-pf.hatenablog.com

 

両者の比較において、時々モノや食べ物で例えられることがあります。最近twitter上で目撃した事例は、サッポロ一番の袋麺に例えた比喩表現でした。いわく、全世界株か米国株かの選択はサッポロ一番みそラーメンか塩ラーメンかを選ぶくらい難しい、と。割とありがちな比喩ですが、個人的にどうも引っ掛かります。

というのも、全世界株と米国株は同レベルの関係ではないからです。全世界株の中に米国株が含まれている、という包含関係になっています。何かで例えるなら、この包含関係を表せるモノであるべきだと思うのです。

サッポロ一番のみそラーメンと塩ラーメンって、いわば同レベルの存在じゃないですか。「米国株か日本株か」といった国同士の比較、あるいは「金融か不動産か」といったセクター同士の比較であれば、サッポロ一番の例えで良いと思います。同じレベルの上で、異なるモノ同士を比較しているからです。

しかし「全世界株か米国株か」の比較では事情が異なります。両者は同列ではなく、一方が他方を含む関係になっています。しかも、全世界株のうち半分以上が米国株なのです。これをサッポロ一番で表現するのは少々無理がありますよ。「みそラーメンを食べたら、ほとんど塩ラーメンだった」なんて変です。いや、塩分濃度を考慮すると、これはこれで一周回って合っているような気がしなくもないですが、そういうレベルの話ではありません。

つまり全世界株と米国株の比較においては、以下2つの特性を表現可能な比喩にすべきと思います。

 

  • 全世界株は米国株を含んでいる
  • 全世界株のメインは米国株である

 

ラーメンを用いるなら、全世界株か米国株かの選択はラーメンセットかラーメン単品かの選択みたいなもの、といった感じです。この例えであれば、ラーメンセット(全世界株)の中にラーメン単品(米国株)が含まれており、メインはラーメン(米国株)ですよ、という関係が表現されています。別にラーメンじゃなくてハンバーグでも何でも良いです。この比喩表現のポイントは「セット」か「単品」かです。

全世界株か米国株かの論争で、よくある解決策が「両方持つ」というものです。どちらも最良の投資対象なので、迷うなら両方を半々で保有すれば良いではないか、といった解決策です。一見もっともらしい主張ですが、そもそも全世界株の6割は米国株なので、全世界株と米国株を半々で保有すると米国株が8割にもなってしまいます。それを理解した上で、あえて米国株の割合を更に高めたいのであれば何の問題もありません。しかし、これは多くの投資初心者が「両方」「半々」と聞いてイメージするポートフォリオとはかけ離れているのではないでしょうか。

おそらく今日もtwitter上では「全世界株と米国株ではどちらが良いか」「全世界株の方が良い」「米国株の方が良い」「迷うなら両方持てば良い」「天才現る」といったグダグダの展開が繰り広げられていることでしょう。私もこの展開をかれこれ1億回ほど目にした気がします。時々「いや、両方持つと実質ほとんど米国株になる」といった指摘をする人が現れますが「それでも本人が良ければ良いじゃん」といった感じでかき消されます。サッポロ一番で考えている限り、この無限ループが延々と繰り返されます。「みそラーメンか塩ラーメンかで迷うなら、両方半々ずつ食べれば良い」と聞けば、何となく納得してしまうからです。

この永劫回帰から抜け出すには、ラーメンセットで考えることです。そうすれば「全世界株と米国株、迷うなら両方持てば良い」という主張に対して、「いや、それってラーメンセットとラーメン単品を両方注文するようなものだよな」と包含関係が正しく意識され、最終的に「ラーメン被っとるやん」という結論に至ります。つまり、全世界株と米国株の「両持ち戦略」の不自然さに気が付くわけです。全世界株と米国株の比較においては、サッポロ一番脳ではなくラーメンセット脳で考えましょう。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

 

【他の投資家ブログ】

 

はてなランキング】