地球PF運用ブログ

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実質賃金、23か月連続でマイナス

今年2月の1人あたり現金給与総額が公表されました。実質賃金は前年同月比1.3%減、これで23か月連続でマイナスとなりました。なお、名目の給与総額は28万2265円で、前年同月比1.8%の増加です。あくまで名目では、26か月連続でプラスとなっています。しかし、賃金の伸びが物価上昇に追い付かない状況が続いており、残念ながら実質賃金の方は実に2年近くも連続でマイナスとなっています。

それにしても、23か月連続でマイナスとは凄まじいです。報道によると、比較可能な1991年以降で、これまで実質賃金が最も長く連続で減少したのはリーマンショック期の2007年9月以降です。当時もそこから23か月連続でマイナスとなりました。つまり、今回の記録は過去最長タイとなります。全く嬉しくありませんね。

名目では上がっているといっても、その内訳はどうなのでしょう。おそらく大企業の賃金だけが大きく上がっており、中小企業の賃金はそれほど上がっていないか、ほぼ横這いかと思います。中小企業白書によると、日本の全企業に占める中小企業(および小規模事業者)の割合は99.7%です。大多数の会社員は、物価がどんどん上がる中で賃金がほとんど上がっておらず、相当にきつい状況と推測できます。

ところで、毎月勤労統計の実質賃金は月極なので、他の月より営業日が少ない2月は比較的「低目」の数字になるそうです。私はそれを意識したことがありませんでしたが、先日X(旧Twitter)でこの点を指摘されまして、なるほどなと思いました。実質時給ではそれなりに堅調だそうです。

とはいえ、傾向的にマイナス続きである点は否めないでしょう。営業日が少ない月も多い月も含めて、丸2年近く連続でマイナスだからです。3月の数字に期待したいところですが、円安や原油高で更なる物価上昇が見込まれるので、プラス反転はなかなか難しそうです。

実質賃金が冴えない一方、株価は高値圏を推移しています。日経平均株価は4万円こそ割り込んだものの、依然としてバブル期の最高値を上回っています。経済学者トマ・ピケティは著書「21世紀の資本」において、いつの時代でも資本収益率(r)が経済成長率(g)(≒賃金の伸び率)を一貫して上回る(r>g)という歴史的事実を示しました。要するに、資本家は労働者より常に有利に蓄財でき、両者の経済格差は拡がる一方ということになります。株価が上がり続けている中で、実質賃金が23か月連続で減少している現在の状況は、まさに「r>g」が体現されているようです。

(参照:お金と労働と地球株 - 2-4. 格差の要因

出典:お金と労働と地球株 - 2-4. 格差の要因

 

つくづく労働者は報われないと思います。石川啄木の歌、「はたらけど はたらけど 猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」が思い出されます。ちなみに実際の啄木は、借金したお金を遊興に使い果たしてしまうので貧乏だっただけだそうですけど。

今日の経済状況を見ていると、個人的にFIREに踏み切って良かったなと実感します。今後も過酷な労働の世界からは距離を置き、投資でのんびり生きていければありがたい限りです。今日も働いてくださっている地球人の皆様に感謝です。

 

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