地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

日本の格差社会化

ここ数日、投資界隈が大盛り上がりです。

まず、日経平均株価の上昇が凄まじいです。バブル崩壊後の最高値を3日連続で更新し、昨日は終値で35000円を突破しました。実に33年11カ月ぶりの高値水準です。

地球PFも過去最高値を連日更新しています。ただし、地球PFには国内資産が数%ほどしか含まれておらず、構成資産のほとんどが外国資産です。こちらは円安の影響が大きいものと思います。細かい集計はいつも通り週末に行います。

 

マネーフォワード_キャプチャ(2023/01/11)

 

また新NISAがスタートし、地球株の代表的な投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)の資金流入額が1日で1000億円を超えました。その他、暗号資産ビットコインの現物に連動するETFの上場申請が、米証券取引委員会によって初めて承認されました。そんなこんなで、X(旧Twitter)の投資クラスタ(株クラ)は連日お祭り騒ぎの様相です。

このように投資家がフィーバーしている一方で、投資には縁のない会社員の生活は日に日に苦しくなっています。厚生労働省によると、昨年11月の実質賃金は20か月連続で前年を下回りました。名目の一人当たり給与は増加したものの、物価の上昇に追い付かず、実質的には給料が減っています。この状況が20か月も続いています。

要するに、金融資産等を「持つ者」と「持たざる者」との経済格差が拡大しています。まさに「r>g」です。この不等式は経済学者トマ・ピケティが著書「21世紀の資本」にて主張したもので、rは資本収益率、gは経済成長率です。資本収益率は資本家の財産の伸び率、経済成長率はおおよそ労働者の賃金の伸び率と言い換えても差し支えありません。ピケティは3世紀におよぶ20か国以上のデータを分析し、どの時代、地球上のどの場所でも、この不等式が成り立ってきた事実を発見しました。つまり、資本家は常に労働者より有利に財産を蓄積でき、両者の経済格差は基本的に拡がる一方だということです。「r>g」の詳細は姉妹サイトで説明していますので、ご興味がございましたらご参照ください(参照:お金と労働と地球株 - 2-4. 格差の要因)。

出典:お金と労働と地球株 - 2-4. 格差の要因

 

「r>g」は普遍的な式なので、もちろん日本でも成り立っています。それでも日本は、これまで先進国の中では経済格差が比較的小さい国でした。しかし、それも今後は分かりません。日本では今や、日経平均のバブル後最高値更新と、実質賃金の20か月連続マイナスという両極端の事象が同時に発生しています。この2つの同時発生は、日本が本格的な格差社会に突入した象徴のように見えます。

投資は自己責任です。投資するも自由、しないも自由。投資すれば当然リスクが伴います。しかし、投資のリターンはリスクを負うことに対する報酬であり、資本主義は原則として「持つ者」を優遇する経済体制です。逆に言えば、投資しない者、「持たざる者」は長い目て見れば損をします。

また、本当の意味で「投資していない」という状態はほとんどあり得ません。たとえ全財産が預貯金だとしても、それは日本円の預貯金という金融資産に100%集中投資している、ということになります。その日本円の価値は、ここ数年で、対ドルで3分の2程度まで落ちました。そもそも通貨自体が減価するものですが、日本円は各国通貨の中でも群を抜いて価値が落ちました。日本で働いていれば通常、給料は日本円で支払われます。その給料さえも実質で見ればマイナス続きです。投資しない(=日本円に100%投資する)ことが本当に安全と言えるのでしょうか。

日本でも資本家と労働者、持つ者と持たざる者の格差がいよいよ顕著に現れて来たように見えます。この資本主義の世界で生き残るため、今後も地球PFを通じて地球全体の資産を保有し続けたいと思っています。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

 

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