地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

地球株か米国株か

インデックス投資について情報を集めていくと、最終的な投資先として以下の2つに辿り着く場合が多いです。

  • 地球株(全世界株)
  • 米国株

そのため、この2つは比較されやすく、よく「どっちが良いか」と議論になります。私が見聞きする範囲では、一般的な結論は以下のようなものだと思います。

  • どっちでも良い(どっちも最適解)
  • でも、どちらかと言うと米国株

「どっちでも良い」の根拠は、長い目で見れば、米国を中心に世界全体の経済が成長し続けると期待できるからです。また、時価総額で考えれば地球株の6割は米国株なんだから、どっちでもそれほど変わらない、とも言われます。

「どちらかと言うと米国株」の根拠とされる事柄は色々あります。株主重視のお国柄、先進国で数少ない「人口が増え続けている」国であること、投資のインフラ(法律含む)が高度に整備されていること、そして何より、地球株よりも大きく成長してきた実績があること等です。

これらの根拠から、どっちでも良いと言われつつも、一般的には米国株の方が推奨されている印象です。実際、本屋で株式投資のコーナーを覗いて見ると、米国株投資に関する本が所狭しと並んでいます。ブログやツイッター上でも、やはり米国株投資家が多く、積極的に情報発信されています。

一方、私は「地球PF運用ブログ」なるブログを運営しているくらいなので、地球株ラブの人間です。現在は地球株から地球PFにポートフォリオを移行していますが、それでもPFの中身の大半は地球株です。地球株を重視する理由は、地球全体の株式市場がプラスサムゲームの場だと思っているからです。プラスサムゲームでは全体のパイが増えます。それなら全体を持っておこう、という極めて単純な話です。

では、地球全体の株式市場は本当にプラスサムなのでしょうか。長期的にはそうだと思います。第一に、現代の利子を伴う通貨システムでは、お金が地球上で増え続けるからです。ただし、これは「長い目で見れば」という話です。周知のとおり、これから米国は増やし過ぎたお金を減らそうとしています(QT)。第二に、資本主義が続く以上、地球上にばら撒かれたお金の多くは株式市場に集まるからです。これらの考え方については姉妹サイト(お金と労働と地球株 ~無能が30代で資産1億円を達成した方法~)に詳述しておりますので、ご興味があればぜひ覗いてみてください。

問題は、地球上のどこにお金が集まるのか、事前には誰にも分からないということです。現在、多くの人が、それは「米国株式市場」だと思っています。確かに今後もしばらく、それは事実だろうと思います。しかし、米国がいつまで地球上でトップの座を死守し続けられるのか、やはり誰にも分かりません。

ただし地球株を持っている限り、米国が今後も長らく資本主義の雄として君臨し続けようと、中国やインドにその座を明け渡すことになろうと、それはどちらでも良いことです。地球株の保有者にとって、特定の国や産業、まして特定の会社の行く末はどうでもよく、関心事は「地球全体が成長し続けるか」の一点だけです。

よくツイッター上で「株式投資はプラスサム、だから米国株に長期投資」といった旨のツイートを見かけます。これは論理的に少々おかしいです。プラスサムの特徴を活かしたいのであれば、米国株という部分集合ではなく、地球株という全集合を保有すべき、という結論になるはずです。それでもVTI(米国全体)への投資であれば、まだ理解できます。しかし、そういう方のPFを見ると、なぜかより範囲を狭めたVOO(S&P500)だったりします。もちろん、いずれも極めて優良なETFです。率直に言って、私が多く所有しているVTよりもはるかに成績が良いです。しかし、あくまで「プラスサム」を根拠にするのであれば、いずれも地球全体の株式市場を代表するETFでは無いのだから、やはりおかしいと思います。私なら「株式投資はプラスサム、だから地球株に長期投資」とツイートします(してないけど)。

さて、ここまで地球株への思いを語ってしまいましたが、実際のところ米国株の方が長年成績が良いのは事実です。論理なら地球株、実績なら米国株、といったところでしょうか。今でこそ米国株は暴落していますが、おそらく数年後には復活し、再び地球株を凌駕する上昇を見せると思います。

実はこれが地球株投資の宿命です。地球株の成績は、地球上の全ての投資家の平均になります。平均なので、トップ層(例:今の米国株投資家)と比較すれば必ず劣後します。仮に米国が衰退して中国がトップに躍り出たとしても、この構造は変わりません。その頃には「時代は中国株。地球株とか弱過ぎワロタww」と言われているかもしれません。この関係はいつでも、未来永劫そうなのです。「時代はX国株。地球株とか弱過ぎワロタww」と一般化できるかもしれません。「X国」とは、任意の未来で地球最大の経済大国になっている国です。

このように、地球株投資は割と悲しい宿命を背負っています。地球株と米国株の比較に関しては思うところが多いので、今後もちょくちょく記事にするかもしれません。

 

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