地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

投資に王道あり?

「学問に王道なし」(There is no royal road to learning.) という諺があります。勉学において安易な方法はなく、誰であろうと、たとえ王であろうと自ら苦労して習得するしかない、といった意味ですね。古代ギリシャの数学者ユークリッドが、エジプトの王プトレマイオスから「幾何学を簡単に学ぶ方法ない?」と尋ねられた際に「幾何学に王道なし」と答えた、という故事に由来する諺だそうです。学問に王道なし、確かにそうかもしれません。

学問ではなく投資ではどうでしょうか。投資における王道、つまりラクに成果を上げる方法はあるでしょうか。「ない」と言いたいところですが、私の経験上、「投資に王道あり」と思わざるを得ません。その王道とは、もちろん「インデックス投資」のことです。ここでは特に、市場全体に投資する「パッシブ投資」を指しています。

経済学者ピケティによると、地球全体の資産の伸び率は加重平均でおおよそ4~5%程度です。株式に限れば収益率はもっと高いでしょう。ただし収益率は変動します。常にプラスではなく、よくマイナスになり、時に大暴落します。しかし、数十年あるいは数百年のスパンで見れば基本的にプラスです。インデックス投資は、このような長期における市場全体のリターンを得られる投資方法です。

ここで重要なポイントは、上記リターンを得るために特に苦労がないことです。個別企業の株価チャートを読み込む必要も無ければ、IR情報や財務諸表を丹念に分析する必要もありません。市場全体の指数(インデックス)に連動するように設計された商品を買い、後は何もせず放置しておくだけです。それでも市場平均、つまり投資家全体の平均リターンを得られます。

これは構造上の話で、各投資家のレベルは関係ありません。まず、インデックス投資は単に市場平均を取るファンドを買うだけなので、よく揶揄されるように、それこそサルでも出来ます。まあサルは証券口座を開けないと思いますけど。一方、投資を専門にしている人たちは、それはそれは賢い人たちです。ハーバード大学院でMBAを取得したようなファンドマネージャーらが、膨大の資金を投入して、最新のシステムで分析したりしながら、ライバル達としのぎを削っています。現在、市場のプレーヤーのほとんどはこうしたプロで占められています。しかし、彼らがいかに優秀であろうと関係ありません。どっちにしろ、インデックスファンドを買えば彼らの平均を取れるからです。ときどき「投資は難しい」「投資は参加者のレベルが高い」といった理由で投資に尻込みする人を見ますが、少なくともインデックス投資に限ればそれは誤解です(参照: お金と労働と地球株 - 3-5. 地球株の収益率 )。

 

出典:お金と労働と地球株 - 3-5. 地球株の収益率

 

実際、私は地球株で2億円近くまで資産を増やし、その後は地球PFに拡張して更に資産を増やしています。地球株も地球PFも中身はインデックスファンドです。運用において何ら苦労はありません。積立の設定をして、あとは基本的に放置するだけです。社会に出てから20年あまり、苦労したのは運用ではなく労働の方です。社畜は本当につらかった。つら過ぎた。まだ少し続きますけど。

話を戻します。現在、毎週末に地球PFを集計して当ブログで運用報告しています。これも必須かと言えば、そうではありません。実際のところ、私が集計してもしなくても、その成果は変わりません。運用報告は趣味でやっているだけです。

友人が今年から新NISAで投資をスタートしました。投資対象は、つみたて投資枠も成長投資枠もオルカンです。地球株の代表的な投信です。彼は投資に全く詳しくありません。昨年までオルカンはおろか、投資信託という金融商品さえ知りませんでした。私が新NISA(のつみたて投資枠)でオルカンを買ったので、彼も真似してそうした、というだけです。しかし、彼はこれで地球全体の株式市場の平均リターンを得られます。

もし今後インデックス投資が流行り過ぎたら、市場の効率性は損なわれます。しかしXなどを見ていると、個別株投資も大流行りなので当面は大丈夫でしょう。もしかすると、資本主義に基づいた株式会社制度が続く限り大丈夫かもしれません。そういうわけで、学問に王道はないかもしれませんが、今のところ投資には王道があり、それはインデックス投資かなと思います。

その意味で、地球全体の資産への投資を目指す地球PFは王道中の王道です。今後も王道を邁進したいと思います。

 

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