地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

市場PFと地球PF

地球PFの運用方針は「なるべく費用をかけずに地球全体の資産を保有する」です。この方針に沿って、現在は地球株、地球債、地球不動産、地球商品、そしてゴールドを組み合わせて運用しています。

地球PFの理論的なバックグラウンドとして、非常に重要な概念があります。それは「市場ポートフォリオ」(以下、市場PF)と呼ばれる架空のポートフォリオです。市場PFとは、世の中のすべてのリスク資産を、時価総額に比例した比率で保有するポートフォリオのことです。モダンポートフォリオ理論において、市場PFは最も効率の良いポートフォリオであるとされています。

この市場PF、地球PFの運用方針と良く似ています。それもそのはず、地球PFの究極の目標は市場PFだからです。地球PFの運用について、現在は主に当ブログとX(旧Twitter)で発信しています。また、ありがたい事に日経新聞電子版でも取り上げていただきました。

www.nikkei.com

 

そのおかげか、時々Xで「市場ポートフォリオを再現している人」と言及していただくことがあります。また上記の日経記事についても「いわゆる市場ポートフォリオ」という感想コメントがありました。市場PFを知っているということは、金融工学の知見がある人なのでしょう。嬉しい限りです。

しかし、地球PFをもって市場PFを再現している、と自ら主張することはできません。いくら何でもおこがましいです。市場PFとはあくまで理想上のポートフォリオであり、いわば「イデア」の存在です。究極の目標とはいっても、実際に構築することは不可能であり、具体的な中身をイメージすることすら困難です。

市場PFと地球PFはあらゆるレベルで異なっています。確実に言えることは、地球PFが不完全ながら市場PFの部分集合になっている、ということくらいです。以下、両者の違いを3つのレベルで説明します。

第一に、おそらく市場PFにはそもそも一般に投資不可能な資産が含まれます。市場PFは「世の中のすべてのリスク資産」からなるポートフォリオです。その中には、たとえば全地球人の「人的資本」も含まれます。人的資本は固有の価値を持ち、それは人によって異なります。また同じ人間であっても、昔と今では人的資本の価値が異なるでしょう。もちろん需給によっても価値が変動します。つまり人的資本も立派な「リスク資産」であって、市場PFに含まれているはずです。地球PFで全地球人の人的資本を保有できるでしょうか。奴隷制の時代ならともかく、この令和の日本では他人1人の人的資本すら保有不可能でしょう。

第二に、たとえ現実の世界で投資可能であっても、現実的に「網羅できない」資産があります。たとえば、市場PFには世の中の全てのコイン、全ての絵画、全てのワイン等も含まれます。もっと言うと「ポケモンカード」だって含まれます。これらだってリスク資産ですからね。私が見たことも聞いたこともない資産だって、時価総額比で含まれているわけです。こうしたあらゆる資産の中から、地球PFでは株式、債券、不動産、商品に限定して保有しています。なぜなら、これらの資産しか「網羅的に保有できる」モノが無いからです。地球上のあるアセットを網羅的に保有しようとすると、現実にはインデックスファンドに頼らざるを得ません。インデックスファンドのおかげで、株式や債券の他、REITコモディティを幅広く保有できています。逆にいえば、まだインデックスファンドになっていないアセットを網羅的に保有することはできず、その点で地球PFの構成資産は限定されます。

第三に、地球PFで現在保有できているアセットであっても、実際にはその中身がスカスカです。現在、地球株の主力は「VT」です。VTを通じて、世界40か国以上の約9000社に投資しています。しかし、地球上には2億社以上の企業が存在しています。理想的には、これらを全て保有したいところです。このうち上場企業に限れば、その数は5万社弱のようです。いずれにしても、9000社では物足りません。ちなみに、同種のインデックスファンドで大人気の「オルカン」は約3000社です。要するに「地球株」といっても「地球上のすべての企業」とは程遠く、中身はスカスカです。これでも地球株はまだマシな方です。他の地球資産はもっと酷く、もっとスカスカです。「地球全体の資産を保有」といっても、これが実態です。

このように、しょせん現行の地球PFでは、あらゆるレベルで理想世界の市場PFに遠く及びません。原理的にも届かなければ、現実的にも届きません。とはいえ、一般庶民が地球上の幅広い資産にアクセスできるのは凄いことです。ひと昔前であれば、地球PFなど考えることもできなかったでしょう。今後も出来る範囲で市場PFに近づけるべく、地球PFの運用に邁進したいと思います。

なお、市場PF、地球PF、地球株の関係については姉妹サイトの方でも説明しています。ご興味があればご参照ください。

お金と労働と地球株 - 3. 地球株 - 3-4. 【参考】市場PF、地球PF、地球株

出典:お金と労働と地球株

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

 

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