8月の全国消費者物価指数が発表されました。前年同月比で2.8%上昇。1991年9月以来、実に30年11か月ぶりの上昇率です。
米国のCPIは8.3%、ユーロ圏は9.1%です。それらに比べれば、日本の数字はまだマシかのように思えます。それでも絶対値として見ればかなり大きな上昇率です。数年前に、日本のCPIが本当に2%を超えると予想できた識者が何人いるでしょうか。外国の異常に高いインフレ率に目を奪われがちですが、日本も相当なものです。
上昇の筆頭はやはりエネルギーです。電気代は21.5%、ガス代は20.1%の上昇率でした。こういった節約が難しい項目の値上げは困りますね。次いで食品も大きく上がっています。
ところで、景気が停滞している中でインフレが進行する現象を「スタグフレーション」と言います。「Stagnation（景気停滞）」と「Inflation」を組み合わせた言葉です。通常、景気停滞期には需要が落ち込むのでデフレになります。しかし、景気停滞期であっても外部要因で物価が上昇することがあります。その場合、スタグフレーションに陥ります。景気が悪く賃金が上がらない状況下でモノの値段が上がっていくのですから、当然生活は苦しくなっていきます。日本ではオイルショック後（1970年代）がスタグフレーションでした。
では、今の日本はどうでしょうか。まさにスタグフレーションに陥ってしまった気がしてなりません。先日のNスぺでも取り上げられていましたが、日本では長年賃金が上がっていません。
そして今、ウクライナ問題も含めた様々な要因で物価が上昇しています。これは景気停滞期のインフレ、つまりスタグフレーションではないでしょうか。そうであれば、今後ますます生活が苦しくなっていくはずです。
今の状況で資産を防衛することは大変難しいです。これが日本だけの問題であれば、外貨や外国資産を持っておけば十分に対応できます。しかし、今は世界中でインフレが進行しており、これを抑えるために各国（日本以外）とも金融を引き締めています。こうした中で出来る事といえば、現金も含めた資産の分散くらいではないでしょうか。私は今までどおり、資産を極力分散した地球PFを運用していこうと思っています。
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