地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

アクティブファンドのコスト

Twitterでアクティブファンドのコストについて議論になっていました。発端となったツイートの趣旨は、昨今のインデックスブームでアクティブファンドの手数料が「ぼったくり」かのように言われるが、ファンドマネージャーがどれだけ時間と労力をかけてリサーチしているか知っているのか、というものです。

言いたいことは良く分かります。おそらく非常に優秀な人たちが膨大な労力をかけてリサーチしているのでしょう。なお正確に言えば、アクティブファンドに対比されるのは、インデックスファンドではなく「パッシブファンド」でしょう。ここでは、インデックスファンド=パッシブファンドとします。

インデックスファンドのリターンを上回るアクティブファンドも存在します。逆に下回るファンドもあります。しかし残念ながら、投資家が優秀なアクティブファンドを「事前に」特定することはできません。

というか、各アクティブファンドのグロスリターンの平均値がインデックスファンドのグロスリターンです。一方で、アクティブファンドはリサーチ等に大きな労力を要するため、そのコストは一般にインデックスファンドよりも高くつきます。つまり、アクティブファンド群(の平均)とインデックスファンドを比較すると、グロスのリターンは同じで、ネットのリターンはコスト差の分だけインデックスファンドに軍配が上がります。これはアクティブファンドのマネージャーが優秀かどうかにかかわらず、構造的に成り立つ関係です。

姉妹サイトで地球株の優位性について触れているのですが(参照:3-5. 地球株の収益率)、その論理はまさしく上記の内容です。

 

出展: お金と労働と地球株 - 3-5. 地球株の収益率

 

今日、アクティブファンドよりも低コストなインデックスファンドを手軽に購入できます。労力がかかっているのは、間違いなくアクティブファンドの方でしょう。しかし、労力がかかっていれば良い、というものでもありません。むしろ、そのコスト分だけインデックスファンドの方が有利なのです。

たとえば、どこかの企業が物凄い労力をかけて高山の水を手に入れたとします。その過程で何人も死んでいるかも分かりません。この水の価格には、当然そのコストが反映されています。しかし、もしその水の水質が水道水よりも劣っていて、特にミネラル等も含んでいなかったとしたら、誰がその水を買うでしょうか。蛇口を捻れば、より安価で、より良質な水道水が出てきます。物凄く失礼な例え話ですが、一般的なインデックス投資家から見れば、今日のアクティブファンドとインデックスファンドの関係はこんな感じかと思います。

もっとも、インデックスファンドはアクティブファンドのおかげで存在できている面があります。アクティブファンドのマネージャーが日々リサーチし、売買を繰り返すことで最適な株価が形成されていきます。その集積がインデックスの価格です。時々「インデックス投資家はフリーライドしていてズルい」といった主張を聞きますが、確かに一理あるかもしれません。市場における最適な価格形成に貢献しているのはアクティブファンドであり、ひいては、そのコストを負担している投資家です。インデックスファンドは価格形成に何ら貢献せず、アクティブファンドの成果の上に乗っかているだけです。

地球PFはインデックスファンド(主にETF)で構成されています。私の運用はまだまだ不完全ですが、理想の地球PFは地球上のあらゆる資産を時価総額比で組み込んだものです。地球PF運用において、リサーチや予想は原則としてゼロであり、価格形成への貢献もゼロです。ある意味で究極のフリーライドと言えるかもしれません。

ところで、より高い視点から見れば、そもそも株価の予想に膨大な労力をかけることに意味があるのでしょうか。その活動は直接的には何も生産しておらず、地球上の富を何も増やしていません。まあ、それを突き詰めると投資や資本主義の否定に行き着いてしまい、地球PFを運用しているお前は何なんだ、という話になってしまうので、ここで止めます。アクティブファンドのマネージャー様、日々のリサーチ活動ありがとうございます。

 

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お金と労働と地球株
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