先週「貨幣博物館」を初めて見学しました。日本銀行金融研究所の2階にあります。下記の東証見学の後に行って来ました。
当初はこの記事から間を置かずに貨幣博物館について書こうと思っていました。しかし、先週は米雇用統計が下方修正されたり、ジャクソンホール会議でパウエル議長が利下げに言及したりと、地球PFを揺るがすイベントが連発したので、それらの記事を優先しました。見学から1週間経ち、記憶がだいぶ薄れてしまいました。まあ仕方ありません。
ところで、友人としては東証が本丸で博物館の方はついで、といった意識だったようです。一方、個人的には博物館の方が本丸だったかもしれません。こんな投資ブログをやっていますが、お金そのものにも関心があります。その割に、これまで一度もここに行こうと思ったことはありませんでした。きっかけを作ったくれた友人に感謝です。
博物館には古代から現代に至るまでの様々な貨幣が展示されています。有名な和同開珎から中国の渡来銭、江戸幕府が発行した金貨・銀貨・銭貨、最初の日銀券「大黒札」等々。今まで写真でしか見たことがなかったので、初めて現物を見れて楽しかったです。貨幣にまつわる関連資料や歴史的背景の説明などもあり、とても勉強になりました。当記事にそれらの写真でも載せられれば良かったのですが、博物館では一部エリアを除いて撮影禁止だったので、残念ながら写真はほとんどありません。
また、先月から発行された新札についても大きく取り上げていました。種々の偽造防止技術が事細かに解説されていて、それらを見るための虫眼鏡も用意されていました。ちなみに、私は1000円札だけ新札を持っています。母は新しい1万円札を持っていました。5000円札は、この博物館以外ではまだ確認していません。
それにしても、昔の貨幣の変遷を見ていて改めて思ったのはインフレの怖さです。昔の金属貨幣は、金や銀などの含有量を減らすために改鋳が繰り返されました。その目的は、主に幕府なり政府なりが使えるお金を増やすためです。貨幣は改鋳される度に、その価値をどんどん落としていきました。するとインフレになり、庶民は生活苦に陥りました。これは日本だけでなく、古今東西で行われて来たことです。
現代のお金(お札)は不換紙幣なので、そもそも金や銀を含んでおらず、それらと交換することもできません。金本位制の時代は終わって管理通貨制度になりました。しかし管理通貨制度だからこそ、昔のように改鋳するコストも要らず、お金を増やしやすい、とも言えます(参照:お金と労働と地球株 - 1-11.【参考】お金の機能喪失 )。
かつて為政者が好んで行って来た貨幣改鋳は、今では金融緩和という方法に変わっています。両者の目的と効果は同じであり、その帰結はインフレです。これから日本人は、その劇的な効果を嫌でも日々実感することになるかもしれません。
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