地球PF運用ブログ

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幻の通貨「B円」

昨日5月15日、沖縄県は本土復帰50周年を迎えました。沖縄では終戦直後から十数年間だけ、通称「B円」と呼ばれる通貨が流通していました。B円は、1945年に日本に進駐した米軍が新たなお金として発行した軍票です。正式名称は「B号円表示補助通貨」です。日本で法定通貨として制定された外国の軍票は、後にも先にもこのB円だけです。

B円は沖縄で1958年まで実際に法貨として利用されました。その後はしばらく米ドルが利用されました。そして本土復帰の日(1972年5月15日)に米ドルは日本円に交換され、現在に至ります。もちろん戦前は沖縄でも普通に日本円が使われていました。つまり沖縄県民は、わずか30年ほどの短い期間に何度も通貨変更にさらされ、お金の面でも大きな不便を被りました。

一方、本土ではB円がほとんど使われませんでした。当時の日本政府が本土でのB円流通を阻止すべく、連合軍に対してB円の発行取り止めを強く要請し、連合軍がこれを承認したためです。既に本土でわずかに出回っていたB円は回収され、沖縄で再利用されました。この経緯から、沖縄県民以外の日本人の大多数はB円の存在すら知らなかったはずです。今でも知らない人が多いかもしれません。

仮にB円が本土で広く流通していたらどうなっていたでしょうか。もしかすると、現在の日本は無かったかもしれません。なぜなら最悪の場合、日本は「通貨発行権が無い国」になっていた可能性があるからです。通貨発行権とは、文字通り自国の通貨を発行する権利です。実は地球PFの戦略の基盤でもあるのですが、その関連の話は長くなるのでここでは割愛します。

沖縄県には今でも米軍が駐留しています。自国の領土に外国の軍隊が長らく居座っているという状況から「日本は独立国と言えるのだろうか」という論説があります。それに加えて、もし国家主権たる通貨発行権すら無いということになれば、いよいよ日本は独立国なのか本当に怪しくなってきます。当時、敗戦国という立場にもかかわらず、B円流通を必死に阻止した日本政府と官僚の方々にあらためて感謝したいと思います。

 

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