地球PF運用ブログ

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日銀、国債保有比率5割超え

日銀が資金循環統計を公表しました。これによると、9月末時点で国債の発行残高は1066兆円、このうち日銀が536兆円を保有しています。日銀が保有する国債の割合は50.26%です。国債の半分を日銀が保有する異例の状況になっています。

特に今年、国債の買い入れが著しく増えました。欧米の中銀がインフレ退治のために利上げを推進、日本の金利もつられて上昇しました。一方、日銀は長期金利を抑えるべく国債を買いまくり、今年6月の買い入れ額は月間で過去最多の16兆円に上りました。

異次元緩和が始まる前、2012年末の日銀保有割合は11.48%でした。約10年に及ぶ大規模な金融緩和で保有割合が4倍近くに膨らみ、今年9月末に初めて50%を突破しました。政府の借金を日銀が支える、事実上の「財政ファイナンス」ではないかと批判されています。

日銀による国債の直接引き受けは、財政法で禁止されています。主要先進国であればどこでもそうです。しかし日本では、既に直接引き受けに近いことが行われています。実際には民間銀行を介しているため、形式的には直接引き受けではありません。しかし国債発行高の半分を日銀が持っている状況では、もう実質的に直接引き受けの結果と変わらないように見えます。

日銀が国債の半分を保有してしまうと何が問題なのか、実のところ良く分かっていません。そもそも通貨(現金)は日銀が発行しているので、いくら国債を抱えようと日銀が倒産する事態は考えにくいです。ただし、このままで良いとも思えません。

本来、中央銀行には金融政策の独立性が認められており、通貨発行権を独占的に行使できます。なぜそうなったかというと、政府が直接お金を発行できる体制では、政府がお金を刷りまくってしまい、酷いインフレになるからです。どの国でも歴史的にそうだったので、お金は政府ではなく中央銀行が発行する、というルールになりました。

ところが、今や政府と日銀は一体化していて、いわゆる統合政府としてお金を刷りまくっています。つまり、現在の日銀は独立性を失っていると言えます。

歴史が教えるところでは、その帰結は通貨安とインフレです。昨今、内外金利差によって円安が進行しています。米国の利上げは収束が見込まれており、内外金利差は近々解消するでしょう。それによって円安も一時的に終わるはずです。しかし、日銀が今後も独立性を取り戻さなければ、円安は長期的なものとなり、インフレが止まらなくなってしまうかもしれません。個人的には引き続き地球PFで資産保全を図りたいと思っています。

 

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