地球PF運用ブログ(FIRE生活中)

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日銀、長期金利上限を0.5%に引き上げ

日銀は昨日の金融政策決定会合で、長期金利の上限を従来の0.25%から0.5%に引き上げる決定をしました。本決定、黒田総裁は「利上げではない」と言っていますが、事実上の利上げです。たしかに今回の政策変更は、長期金利の変動許容幅を上下0.5%に拡大するものであり、直接の利上げではありません。しかし、長期金利が今更マイナスに触れることはありません。従来でも上限の0.25%に張り付いていました。つまり、今回の決定は金利上昇の余地を拡げる、事実上の利上げであると言えます。実際に政策変更の発表後、10年債は一気に0.45%にまで跳ね上がりました。

日銀はこれまで、足元の物価上昇は一時的なものであって金融緩和の修正は不要、と説明してきました。また、金融緩和に伴う円安については「日本経済にとってプラス」との立場でした。ところが、日本でも消費者物価指数が継続的かつ大きく上がってきていることから、インフレ抑制に舵を切らざるを得なくなった形です。急激な円安が国内企業に及ぼす悪影響も、いよいよ無視できなくなったということでしょう。

以前当ブログで「黒田さんが日銀総裁のうちは、利上げは行わないでしょう」などとドヤ顔で書いてしまっていたと思います。予想に反して、黒田さんの在任中に事実上の利上げが実施されました。申し訳ございません。

今回の政策変更は大きなサプライズとなり、発表直後に為替は円高、株価は下落しました。特に為替は、昨日1日で7円ほども円高となり、現時点で132円を割っています。債券市場では10年債が54%も上昇し、サーキットブレーカーが発動しました。まさかこのタイミングでの政策変更は、ほとんど誰も予想できなかったのでしょう。それだけに相当のサプライズとなりました。

金利の上昇は、日本の景気にとって個人的にはマイナスだと思います。日本では長らく賃金が上昇していません。利上げによって企業の借り入れコストが上がり、倒産する企業も増えるものと思います。賃金は更に上昇しにくい構造となり、企業も家計も打撃を受けます。

家計の面では、特に住宅ローンがどうなるのか気にかかるところです。長期金利が影響を及ぼすのは固定金利です。まずは固定金利の上昇が予想されます。ツイッター上では「変動金利で住宅ローンを組んでる人はやばい」といったツイートが相次いでいますが、変動金利に影響を及ぼすのは短期金利です。変動金利は直ちに影響を受けないでしょう。とはいえ、一般に短期金利長期金利を追いかけて上昇していきます。そうなれば、いずれ変動金利も上昇していくものと思います。おそらく時間の問題に過ぎません。

突然の金融政策変更は地球PFにも打撃でした。昨日だけで評価額が100万円以上落ちています。地球PFは日本資産の割合が少なく、ほとんど外国資産で構成されています。そのため、円高に弱いポートフォリオになっています。こればかりは仕方ありません。地球PFの詳細な集計は、いつも通り週末に行いたいと思います。

日銀がとうとう事実上の利上げに踏み切りました。既に為替や株に大きな影響が出ています。その影響は、やがて日本経済全体にも波及していくことでしょう。今後の生活や資産への影響を注視していきたいと思います。

 

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