債券への投資について、この20年で主流となる考え方がコロコロ変わってきたように思います。あくまで私個人の感覚になってしまいますが、債券投資の流行の変遷を振り返ってみます。
私は入社して1年でうつ病を患って休職しました。この時に、お金、経済、投資といった分野を集中的に勉強しました。投資に関しては当時、ポートフォリオの基本は以下の4区分だと教える本が多かったと記憶しています。
- 国内債券
- 外国債券
- 国内株式
- 外国株式
今でもGPIFの基本ポートフォリオは、この4区分に25%ずつ資金を割り振るものです。
やがて、このうち「日本債券は不要」という考え方が主流になってきました。リターンがあまりにも低いからです。つまり、この頃に推奨されていたポートフォリオは、日本債券を除いた以下のようなものです。
- 外国債券
- 国内株式
- 外国株式
しばらくすると、今度は「外国債券こそ不要」という考え方が出てきました。おそらく最初にこれを提唱したのは、経済評論家の山崎元氏だと思います。なぜ外国債券が不要かと言うと、一見外債の方が利率が良くても、それは結局為替で調整されてしまうはずだからです。それならば、外国債券への投資は無駄にリスクを負うだけであり、むしろ日本国債だけで十分、ということになります。山崎氏はこの考え方のもと、債券部分については日本国債(変動10年)のみを推奨していたと思います。
- 国内債券
- 国内株式
- 外国株式
またしばらくすると、今度は「債券自体が不要」という考え方がクローズアップされてきました。ただし、これはずっと以前から言われていることでもあります。「敗者のゲーム」で有名なチャールズ・エリス氏は、PFは株式だけで良いと長らく主張しています。コロナ前までの株高が、この債券不要論を後押ししたものと思います。つまり、ポートフォリオは次のようになります。債券が無くなってしまいました。
- 国内株式
- 外国株式
もっと言うと、コロナ前までは米国株が絶好調だったので、直近では米国株オンリーの投資家も多いと思います。最近始めたブログやツイッターを見ていると、VTIやVOOだけにガンガン投資している方も多く居られるようです。米国株は何しろ実績がずば抜けていたので、ネット上では「これが最適解」という主張も多く聞かれます。たぶん現在主流のポートフォリオは、米国株だけで固めたものではないでしょうか。
- 外国株式(米国株)
債券は元々、資産運用の脇役みたいな扱いです。それが、ここ数年は脇役すら降ろされていた気がします。しかし現在、米国株を中心に株式が暴落中です。まあ債券も暴落しているんですけど、相対的に債券が見直される時代が再び訪れるかもしれません。今後もまったりと流行の変遷を見ていきたいと思います。
なお、地球PFには国内外の株式も債券も全て含まれています。よって、今後どのように変遷しても特に問題ないです。
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