地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

グッドニュースはバッドニュース

昨年あたりから、金融関係の記事等で「グッドニュースはバッドニュース」あるいは「バッドニュースはグッドニュース」という表現を目にするようになりました。この不思議な表現は、本来であれば株価にとってプラス要因となる経済指標等(グッドニュース)が発表されても、今では逆に株価が下がってしまう、つまり結果的にグッドニュースはバッドニュースである、というような意味です。その逆もまた然りです。

通常であれば当然、グッドニュースはグッドニュースだし、バッドニュースはバッドニュースです。これが昨今では「あべこべ」になってしまっています。いつだったか、「もはやバッドニュースはグッドニュースにあらず」といったタイトルの記事を読みました。これまでは「バッドニュースはグッドニュース」でしたが、もうすぐ「バッドニュースはバッドニュース」になるよ、といった内容でした。まるで禅問答のようで、頭が混乱してきます。

先日、米雇用統計が発表されました。雇用者数は市場予想を上回ったものの、平均時給は予想を下回りました。そして報道によると、市場は平均時給の方に注目して株価が上昇した、とのことです。ということは、依然として「バッドニュースはグッドニュース」という状態が続いています。

なぜ昨今、このような「あべこべ」状態になっているのでしょうか。それは、先進各国の中央銀行(特に米FRB)がインフレを抑制するために利上げを行っているからです。グッドニュースが出てくると、利上げの継続が警戒されて株価が下がります。これは「グッドニュースはバッドニュース」となる形です。逆にバッドニュースが出てくると、利上げ緩和が期待されて株価が上がります。これは「バッドニュースはグッドニュース」となる形です。つまり、中央銀行が強力な金融引き締めを継続しているうちは、あべこべ状態が続くものと思われます。

では、この「あべこべ」はいつまで続くのでしょうか。おそらく「カネ余り」状態が解消されるまでだと思います。各国の中央銀行が利上げやQT等の金融引き締めを行っているのはインフレを抑えるためです。インフレの原因は複数ありますが、そのうち主要な原因は、コロナ対策で各国がお金を発行しまくったことです。そのため、究極的には利上げよりもQTで、増え過ぎたお金を減らさなければインフレが収まらないのではないか、と個人的には思っています。カネ余りが解消し、インフレが収まり、中央銀行が金融引き締めをストップすれば、あべこべ状態も無くなるでしょう。

ところで、地球PFの価値が長期的に増えると見込める大前提は、お金が地球上で増え続けることです。この論理の詳細については姉妹サイト(参照:お金と労働と地球株)をご参照ください。ただし、「地球全体でお金が増える」というのはあくまで長期的な話で、短期的にはお金が減る時期もあります。今あるいは今後がまさに「全体としてお金が減るタイミング」に該当するかもしれず、おそらく地球PFは試練の時を迎えようとしています。マネーの減少は地球PF運用にとって非常に重大な事柄なので、追って別記事でも説明したいと思います。

地球全体のお金が増えれば、たしかに地球PFにとってプラスです。しかし、昨今のようにお金が過剰に増えてしまえば、今度は反動で、中央銀行が強引に減らさざるを得なくなります。大局的に見れば、地球PFは中央銀行の金融政策にいつも振り回されます。市場関係者の大半は金利に注目するようですが、私にとっては金利よりも「マネーの量」の方がより重要です。各国の中央銀行には、是非ともマネーの量を適正な水準に戻していただき、かつ緩やかに増え続ける状態にまで是正していただくよう頑張ってほしいと思います。

 

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