地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

インデックス投信が純資産総額ランキングで首位

投資信託ETFを除く)の純資産総額ランキングで、インデックス投信が首位に輝きました。25年ぶりの快挙だそうです。トップは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。まあインデックス投信の中ではこれでしょうね、という感想です。私は地球PFの運用ポリシー上、これよりも「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)の方が好きで、現に保有もしています。しかし、人気の上では明らかにS&P500指数連動の投信が上でしょう。なお、これまでは、いわゆるアクティブ型の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」という投信が19か月連続で首位を守っていたそうです。こちらは聞いたことがありません。

twitterにはインデックス投資派も多いので、「インデックス投資の時代が来た」といった喜びの声が溢れています。地球PFも大きな括りではインデックス投資です。もっとも、地球PFはほとんどETFで構成されています。投信かETFか、米国株か地球株か、といった違いはあれど、インデックス投資そのものが評価されている事実に対して私も嬉しく思います。その反面、インデックス投資という手法がこれ以上ポピュラーになり過ぎないで欲しい、とも思っています。

この手法の学問的な根拠に「効率的市場仮説」というものがあります。これは、株式市場には現時点で利用可能なすべての情報が織り込まれているため、投資家が超過リターンを得ることはできず、従って株価の予測は不可能、という仮説です。実際の株式市場はどの程度「効率的」なのでしょうか。これは証明のしようがなく、結論が出ていません。ただし「全く効率的でない」あるいは「完全に効率的」といった極端な状態でないことは経験的に明らかです。株式市場については、完全ではないにしても非常に効率的であり、債券市場は株式市場よりも更に効率的である、という認識がコンセンサスになっているようです。

市場の効率化に貢献するのは各投資家です。彼らが賢明に企業を分析し、新しいニュースを読み解き、特定の株式(あるいは株式ポートフォリオ)に投資します。また、アクティブファンドのファンドマネージャーも基本的に同じことをします。そうした売買の集積で、割安な株の株価は上がり、割高な株の株価は下がります。その結果、あらゆる株式は常に「適正価格」になる、すなわち効率的市場になる、というわけです。ただし、大多数の投資家が間違っていればバブルや恐慌になるため、何をもって適正というかは難しいところです。

さて、上記の効率化プロセスに全く貢献しないのがインデックス投資家です。貢献しないどころか、彼らは上記プロセスの成果に乗っかって、市場平均のリターンを得ます。もし市場がインデックス投資家だらけになってしまったら大変です。ちゃんと分析して株式を売買する人が居なくなれば、適正な株価も形成されないため、効率的市場は崩壊してしまいます。

それでも米国株インデックスの購入であれば、まだ「他国よりも米国」という判断が米国株全体に反映される、すなわち米国株(全体)が少々上がります。これが世界株インデックスとなると、株式に関しては何らの評価もしておらず、株価形成への貢献は全くありません。いや、強いて言えば「他資産よりも株式」という判断だけは株式市場全体に反映されます。その観点から最悪なのが「地球PF」の投資家、つまり私です。地球PFでは資産クラスの次元でも一切の判断を排しているため、あらゆる資産の価格形成に対して貢献度ゼロです。

本来、インデックス投資家のポジションであれば、この手法の人気を喜ぶのではなく、むしろ、それ以外の投資家を応援しなければなりません。もっとも、仮にインデックス投資家が異常に増えまくれば、市場には割安あるいは割高な株式が放置されることになるため、個別株投資やアクティブファンドが再び報われる時代になるでしょう。ちなみに、私はそうなっても地球PFの運用を変えません。インデックスが市場全体をカバーしている、つまりパッシブ投資である限り、たとえ効率的市場でなくともインデックス投資のメリットは揺るがないからです。地球全体への投資の本当の優位性については姉妹サイトでも解説していますので、よろしければそちらをご参照ください。

 

お金と労働と地球株 - 3-5. 地球株の収益率

 

インデックス投信が純資産総額でトップに立ったことは確かに喜ばしいです。一方で、あまり人気が出過ぎると市場の効率性が失われるのでいかがなものか、という話でした。まあどうなっても、上記のとおり私は地球PFの運用を続けていきます。

 

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お金と労働と地球株
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