地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

原油減産で地球PFの不完全性を再認識

石油輸出国機構OPEC」と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が原油の減産を発表しました。目的は原油価格の維持でしょう。先月まで原油価格は下落しており、15か月ぶりの安値を付けていました。それが今回の予想外の減産発表によって急騰しています。

原油価格の上昇はインフレ要因となります。インフレ退治に奮闘している米国は、もちろん減産に対して猛反発しています。日本でもエネルギー価格を中心とした物価高が続いています。日本の物価高騰の要因は、大部分が海外のエネルギー価格の上昇です。原油減産によって、インフレは収束するどころか更に酷くなってしまうかもしれません。

国際関係では、サウジアラビアと米国の「特別な関係」に綻びが生じていることが伺えます。両国の関係は、サウジアラビアが各国との石油決済を「ドル建て」で行い、米国はその見返りとしてサウジアラビアの安全保障を約束する、というものです。この特別の関係は、俗に「ペトロダラー体制」と称されます。しかしここ数年、サウジアラビア原油取引をドルに限定せず、ユーロや人民元でも行っているとの憶測があります。また今回のように、米国に不利な決定を堂々と行っています。もし両国の関係が悪化し、ペトロダラー体制が脅かされる事態となれば、米国一強の時代が終焉しかねません。

ドルの価値は、かつてはゴールドが裏付けていました。それがニクソン・ショックによって崩壊し、現在はゴールドの代わりに石油が下支えしています。米国が超大国で居続けるためには、今後もドルが特権的な通貨であり続けなければなりません。そのためには、ペトロダラー体制の維持が不可欠です。それだけに、両国の関係は常に注目されています。

ところで、現在の地球PFにはコモディティの大部分が含まれていません。原油保有していないため、今回の価格上昇による直接の恩恵はありません。当初はコモディティ全般の指数に連動するETF保有しようと考えました。しかし、信託報酬が1%近くもかかるため断念しました。

コモディティは分配金を出しません。それにもかかわらず、毎年1%近くのコストがかかる、というのは受け入れられませんでした。現在はコモディティ全般の代わりに金ETF保有しています。言い換えれば、「地球商品」の役割をゴールド1つに託しています。

この問題は未だ解決を見ていません。地球PFの運用方針は「なるべく費用をかけずに地球全体の資産を保有する」ことです。しかし実際には、低コストを重視しているため、コモディティの大半を保有できていません。もっとも、コモディティの資産規模は株式や債券に比べれば大変小さいです。とはいえ、原油といったエネルギー関連の資産を全く保有していないのも、地球PFの方針に照らしていかがなものかと思います。原油減産のニュースを見て、地球PFの不完全性を再認識しました。

 

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