地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

現金について

新紙幣が話題です。今年の7月3日から、1万円札、5千円札、千円札のデザインが変わります。今までのお札に慣れ親しんでいるので、新デザインには少々違和感を覚えます。なんかチープというか、子ども銀行券のように感じます。これも直に慣れてくるのでしょうか。

今日は現金(紙幣)について考えてみます。といっても、地球PFにおけるキャッシュポジションが云々という話ではありません。現金とは一体どういうものか、みたいな話です。ちなみに現金には紙幣と硬貨の2種類がありますが、ここでは専ら紙幣について取り上げます。

私たちは日常的に現金と預金を使って日々の生活を営んでいます。現金は中央銀行が発行するお金です。預金は民間銀行が発行するお金です。これ、意外と知らない人が多いんですよね。現金も預金も中央銀行が発行していると思われがちなんですけど、中央銀行が発行しているのはあくまで銀行券という現金です。預金は三菱UFJ銀行三井住友銀行などの民間銀行が発行しています。

両者の流通量の割合は、現金が1に対して預金が9くらいです。ほとんど預金ですね。これは日本に限らず、地球全体でも大体これくらいの割合です。むしろ日本人は現金が好きな国民で、これでも世界的に見ると現金の流通量が若干多いくらいです。

現金が私たちの世界に「直接」供給されることはありません。というのも、私たちのほとんどは民間銀行の口座を持っていますが、日銀の口座を持っているという国民は基本的に居ません。新しい現金は民間銀行を経由して供給されます。具体的には、誰かが民間銀行で預金を下ろすことで、この世界に現金が供給されて来ます。私たちは日々の生活で現金を使用しますが、その現金の元を辿ると、必ず誰かがATM等から引き出した現金に行きつきます。つまり、現金が中央銀行から直接お金の利用者に届くことはありません。

 

出典: お金と労働と地球株 1-3. 現金に先行する預金

 

民間銀行は必ずしも預金に相当する量の現金を持っているわけではありません。預金者の現金引き出しに備えて、預金に対する一定の割合の現金(か準備預金)を手元に持っています。預金者が現金を引き出したり、逆に預け入れたりしても、それはお金の種類を交換しているだけなので、世の中全体のお金の量は変わりません。一方、民間銀行が誰かに預金というお金を貸せば、世の中全体のお金が増えます(信用創造)。逆に誰かが銀行に借金を返済すれば、世の中のお金(預金)がその分だけ減ります。世の中全体のお金の増減に影響するかどうかという点において、民間銀行を介した預金と現金の働きは著しく異なります。

この世界にある現金は、元から存在している預金の一部が事後的に交換されたお金に過ぎません。というのも、中央銀行が直接国民に現金を供給するルートは無く、誰かが民間銀行から預金の一部を引き出さないと供給されないからです。はじめに預金ありきで、時間的には必ず預金が現金より先、また量的には必ず預金の方が現金より多い、ということになります。一般にお金といえば現金と捉えてしまいますが、こうしてみると主要なお金は現金ではなく、むしろ預金であることが分かります。

この辺りの話は姉妹サイトでも扱っています。ご興味がございましたらご参照ください(参照:お金と労働と地球株 1-3. 現金に先行する預金)。

このように現金と預金の性質を考えてみると、なかなか興味深いです。今後はキャッシュレスが一層進展して、現金の流通は少なくなるかもしれません。そういえば私自身、最近あまり現金を使った記憶がありません。もしかすると紙幣の改札は今回が最後になるかもしれませんね。少々寂しいです。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

 

【他の投資家ブログ】

 

はてなランキング】