米FRBは政策金利の0.5ポイント引き上げと、保有資産の縮小を決定しました。
政策金利とは米国の短期金融市場の金利です。FRBは3月にゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25ポイント引き上げていました。それを、今回は0.5ポイント引き上げ、今後も同水準で利上げしていく予定です。0.5ポイントというは、2000年以来となる大きな利上げ幅です。
更に、6月からはFRBの保有資産の縮小に踏み切ります。具体的には、米国債を月300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を月175億ドル、計475億ドルをひとまず縮小します。今後3カ月かけて、それぞれの縮小幅を月600億ドル、月350億ドル、計950億ドルにしていく予定です。過去数十年で類を見ない強烈な引き締め策となります。
FRBがここまでするのは、インフレの沈静化のためです。現在米国では消費者物価指数8.5%と、実に40年ぶりの高インフレが発生しています。FRBはもともと「雇用の最大化」と「物価の安定」の2つを目的としている機関です。雇用状況は現在順調なので、今後は物価の安定に向けて邁進していくことになります。
これらの引き締め策が景気にどれほどのインパクトを与えるかについて様々な憶測が飛び交っています。特に株式市場への影響は大きいです。今後、米国株を中心に大きな下落に見舞われるかもしれません。FRBとしては上記の目的に照らして、景気や株価の維持よりもインフレ抑制が優先なのでしょう。
もちろん、私の地球PFも大きな影響を受ける可能性があります。現時点で地球PFの7割は地球株であり、その地球株の6割は米国株です。いや、そもそもFRBが大幅な利上げと資産縮小を実施するのですから、株式に限らずあらゆるリスク資産が下落リスクに直面します。
個人的には利上げよりも、特に資産縮小の方に注目しています。十数年前に始めた地球株の保有、そして現在進めている地球PFへの移行、これらはいずれも「長期的には地球上でお金が増え続ける」(参照:1-10. 地球上で増え続けるお金)ことが大前提の戦略です。それに対して今回のFRBの資産縮小は、短期的とは言え「市場のお金を減らす」政策です。短期的には地球PFへの打撃も避けられないかもしれません。
それでも、私は地球PFを構成する各資産を売却するつもりはありません。運用方針上、会社員である間は原則として買い続けるのみなのです。運用方針については、いつかあらためてエントリーしたいと思います。
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