地球PF運用ブログ

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政府・日銀「急速な円安憂慮」

円安が止まりません。財務省金融庁、日銀の3者が会合を開き、急速な円安の進行を憂慮している旨の声明を出しました。3者会合で声明を出すのは、これが初めてだそうです。しかし、この口先介入に為替相場はほとんど反応せず、円安は更に進行して134円台をつけました。

円安の主な要因は金利差です。米国を初めとした先進国の中央銀行は利上げを行い、日銀は逆に利上げを阻止しています。これでは円が売られるのも仕方なく、構造的な要因なので口先介入でどうにかできるものではないのでしょう。

この状況で円安を食い止めるには、根本的には日銀が各国と同じく利上げに踏み切るべきです。しかしそれはできないでしょう。日本はまだ景気回復に至っていません。また、金利を上げれば国債価格が下がります。それによって大量の国債を抱える日銀のBSは傷つき、政府の利払い費も増えてしまいます。

あるいは、円を買ってドルを売る為替介入も一手段です。しかしこれも今は難しいでしょう。米国は現在インフレ抑制を最優先しており、ドル安を招く介入を許さないはずです。もし出来たとしても、外貨準備には限りがあります。逆の円売り介入であれば資金面での制約は事実上ありません。しかし円買い・ドル売り介入では、手持ちのドルの量が介入の限界です。市場もそれを良く分かっているし、金利差の問題は依然として残ります。そのため、一時的に円高に振れても、すぐに円安に戻ってしまいます。

素人目には、日銀は詰んでしまっているように見えます。景気が回復し切っていない状況で利上げに踏み切れば、日本は再びデフレに逆戻りしてしまうかもしれません。しかし利上げに踏み切らなければ、円安がどこまで進むのか検討がつきません。日銀からすれば、進むも地獄、退くも地獄、といった非常に苦しい心境ではないでしょうか。

それでも、いつかは日銀も利上げに踏み切らざるを得なくなると思います。直接そうするか、指値オペの許容幅を拡大する形を取るか、具体的な方法は分かりません。いずれにしても、現在の方針を正反対に転換することになるので、今の黒田日銀体制では難しいでしょう。その実施は新たな日銀総裁の下で行われることになると思います。

 

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