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Nスペ、技能実習生

NHKスペシャル「夢見た国で ~技能実習生が見たニッポン~」を視聴しました。見る前にタイトルからして闇が深そうだと思いましたが、やはり深かったです。番組はベトナムから来日した技能実習生を長期密着取材し、彼らの過酷な実態を映し出していました。

技能実習生はベトナムでも特に貧しい人たちです。彼らは日本に夢を抱き、日本語を勉強し、送り出し機関に高額の借金をして来日します。彼らは日本を、人権意識が高く、労働環境もきちんと整備された理想的な国だと思っているのです。ところが実際に来てみると、技術は学べず、低賃金で、違法行為が横行している、奴隷のような環境で働かされます。

彼らの多くは実習先から逃げ出して、生きていくために止む無く犯罪行為に手を染めることになります。また、彼らには保険が適用されないため、病気にかかってしまうと高額の医療費が発生します。そのため、元々借金がある状態で来日しているのに、さらに借金を重ね、母国の貧困な母から送金してもらっている、という悲惨なケースも紹介されていました。これでは何のために日本に来たのか分かりません。

最終的に、彼らの一部は日本に悪印象を抱きながら帰国します。帰りの空港で「日本に失望しました」と率直に答える女性が印象的でした。

技能実習制度の本来の目的は、開発途上国の支援です。日本の技術や知識を開発途上国の人々に移転して、当該国の経済発展を担う人材の育成に協力する、というものです。ところが、一部の受け入れ企業は彼らを低賃金労働者として当てにしています。特に地方では、この制度が無ければ労働力を確保できないという現実があります。

日本では労働力人口がどんどん減っており、今後も改善の見込みがありません。一方で、全体として移民の受け入れには消極的です。こうした中、事実上の外国人労働者を得るために技能実習制度が悪用され続けています。このまま放置すれば、もちろん彼らが一番かわいそうですが、結果的に日本の治安も悪くなり、ブランドイメージも落ちていきます。

既にベトナムでは、日本の実習先で実習生が暴行を受けている動画がSNSで出回っています。また、日本は昨今の円安で実習先としての魅力も失われてきており、既に中国や韓国に比べて人気が無いそうです。いずれ、彼らに頭を下げても日本に来てくれなくなるかもしれません。

番組は現在の技能実習生の問題を提起して終わりましたが、私は近い未来に次のフェーズが待っていると思います。それは、今とは立場が逆転して、日本人が外国に出稼ぎに行っている未来です。そのような状況になってほしく無いですが、それを十分に予想できるほど、ここ数十年の日本は経済の面で他国に遅れを取っています。

そのとき、外国で(多分、未来でも)英語も碌に話せない日本人が、受け入れ先の現地従業員から復讐されないだろうかと心配です。

 

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