昨日、トラス英首相が辞任を表明しました。在任期間は僅か45日、英国史上最短の記録を更新しました。
トラス氏は当初、大型減税を掲げて支持を集めました。しかし財源が不明確なことから市場の理解を得られず、国債も通貨も暴落してしまいました。その後、トラス氏は大型減税策をほぼ全て撤回し、支持率は1桁台に急落しました。そして昨日、経済混乱の引責で辞任表明となりました。
耳障りの良い公約で人気を集めるも、実際にはとても実現できない内容ですぐに撤回、そしてすぐに辞任、という少々情けない状況です。かつての大英帝国、また金融立国のイギリスで、こんな事が起こるとは思いませんでした。このドタバタ劇は、ネット上でも揶揄されたり笑われたりと、割とボロクソに言われています。
しかし考えてみると、まだイギリスはまともなのかもしれません。上記の騒動は見方を変えれば、その後良くなるための正常なプロセスの一環とも取れます。一連の流れは、リーダーがビジョンと政策を示した、しかし間違いがすぐに発見された、リーダーは即座に責任を取った、というものでしょう。このプロセスを経て、あらためて国全体が正しい方向に向かうのだと思います。
翻って日本はどうでしょうか。岸田首相が掲げる「新しい資本主義」は未だに内容がモヤっとしていて、正しいのか間違っているのか検証もできません。また、首相は諸問題に対して「検討する」ばかりで行動しないため、責任の取りようがありません。良くも悪くも、非常に日本らしい首相です。現在、日銀の異次元緩和の副作用が顕在化してきています。円安の進行が凄まじく、とうとう1ドル150円に達しました。この状況にもかかわらず、ツイッター上では「#税は財源ではない」というハッシュタグが流行っている始末です。
果たして英首相辞任劇は対岸の火事でしょうか。むしろ日本の方がはるかに危険な状況だと思います。日本では間違いの検証はおろか、問題の認識にすら至りません。
せめて自分の資産は自分で守りたいと思います。地球PFが本当に最善かどうかは分かりません。現下の市場環境で、地球PFの価値も下落しています。それでも自分なりに考えて、今後も自責思考で運用していきたいと思います。
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