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子無し税

自民・公明両党は来年度の税制改正大綱を決定しました。防衛費増額の財源として、法人税所得税、たばこ税が増税となります。岸田政権の増税路線に対して、ネット上では非難が噴出しています。

そんな中、先日「子無し税」という不穏なキーワードがツイッターのトレンドになっていました。関連のツイートは「差別増税」「自民党潰そう」「地獄超えてる」等々、非難轟々です。「私は障害で子どもを産めなかった、そんな障害者からも税金を取るのか」といったツイートもありました。

しかし、子無し税のソースは「ツイッター速報」のタイトルであり、その先の元記事に「子無し税」というワードはありませんでした。元記事の内容は、自民党内で「出産・子育て応援交付金」の財源を増税で賄う案が浮上している、というものでした。同交付金は、2022年度からすべての出産家庭に10万円相当を支給する、というものです。

つまり、大半の人は一次ソースに触れることなく、誰も言及していない子無し税を批判していました。速報のタイトルに子無し税を含めた人の意図は分かりませんが、ミスリードを狙ったのだとしたら見事に成功しています。岸田首相の増税路線には辟易しますが、さすがに言ってもいないことを非難されるのはかわいそうです。

他方、出産家庭への支給は「事実上の子無し税」と考えることもできます。税金は出産の有無にかかわらず徴収され、支給は出産家庭のみであれば、それ以外の人たちは「取られ損」になるからです。もっとも、その意味での子無し税は、扶養控除や児童手当として既に存在しています。

私は独身ですが、個人的に子無し税があっても、あるいは事実上の子無し税が強化されても良いのではないかと思います。それほど直接的な税目でなくても、子どもに関連したことに税金が使われるのであれば基本的に賛成です。日本は少子高齢化社会で、出生率は年々低下しています。もう少し出産や子育てに対するインセンティブがあっても良いと思います。

以前、子どもが3人いる同僚から「URTKさん、独身でお金使わないって、国に貢献して無さ過ぎですよ。こっちは生活きついんだから、少し分けてくださいよ」と冗談を言われたことがあります。今は「産めよ殖やせよ」の時代ではないので、出産と国への貢献を安直に結び付ける発想はどうかと思いますが、確かに同僚の意見も一理あります。子どもが居ると生活がきつくなってしまうようでは、いつまで経っても出生率が上がらないでしょう。

ところで同僚は、私が当時から投資で億単位のお金を運用していたことを知りませんでした。もしその事実が知られていたら、私は非国民として即刻ぶち殺されていたかもしれません。秘密にしておいて良かったです。

冗談はさておき、政府は少子化対策にもっと本腰を入れなければ、今後も日本は衰退の一途を辿ることでしょう。増税するのであれば、長期的な視点で日本の発展に資するワイズ・スペンディングを期待します。

 

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