東芝は昨日、投資ファンドによる買収提案を受け入れることを決めました。国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が東芝の全株式を約2兆円で買い取ります。これにより、東芝の株式は非上場化されます。
東芝は2015年の不正会計問題以降、海外の投資ファンドから出資を受け入れてきました。しかし、海外の「物言う株主」と東芝経営陣は対立し、この8年間ほど経営が迷走していました。東芝は非上場化によって物言う株主を排除し、経営再建を図りたい意向です。
名門企業、東芝の迷走ぶりは衝撃的でした。歴代の経営陣は「チャレンジ」という名目で、部下に対して、およそ不可能な売上や利益の目標必達を命令してきました。この組織体質が不正会計に繋がったと見られています。その後、経営立て直しのために主要事業をポンポン手放していきます。しかし2017年、米原発子会社の破綻による巨額損失でとうとう債務超過に転落してしまいました。東芝は上場廃止を免れるため、海外の「物言う株主」から出資を受け入れます。ところが今度は彼らと対立して、更に迷走極まって行きました。
私は大手メーカーに所属しており、東芝とも仕事上の付き合いがあります。東芝の担当者が、打ち合わせ等で不正会計や経営のドタバタに触れて、度々「もうお恥ずかしい限りで」などと言ってきます。こちらはどう返して良いものか分からず、「いやー、まあ、現場としては辛いですよね。。」などと言ったりしていました。末端の社員はさぞ大変だったろうと思います。
また、たしか就活では東芝にエントリーしたかもしれません。いや、エントリーしようとしたら、既に受け付けが締め切られていたんだっけかな。20年以上も前のことなので記憶が曖昧です。いずれにしても、当時は東芝への応募の意思がありました。
私は2003年に大学院を出たバリバリの就職氷河期世代ですが、就活当時はまさか東芝がこんな事態に陥るとは全く想像できませんでした。たしかに当時から製造業の衰退は予想されていました。それでも、日本を支えている産業は依然として製造業だろう、と思っていました。その中でも、東芝は名門企業です。それが迷走しまくった挙句に非上場化されてしまうとは驚きです。1つの時代が終わってしまったような感じがします。
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