日興アセットマネジメントが新たな地球株(全世界株)投信の設定を発表しました。名称は「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」。MSCI ACWI指数との連動を目指す投資信託ですが、信託報酬は年率0.05775%と衝撃の安さです。
現在、同指数に連動する投信は、三菱UFJ国際投信の「オルカン」一強です。なぜなら、オルカンの信託報酬が最安(年率0.1133%)であり、運用会社は今後も常に最安を目指すという姿勢を表明しているからです。
ところが、新星Tracersのコストはオルカンの半分です。それどころか、地球株の旗艦ETF「VT」の経費率(年率0.07%)すら下回ります。VTはACWI指数ではなくFTSE指数に連動するものですが、それにしてもVTより経費を抑えることが可能なのでしょうか。
Tracersはtwitter上でも大いに話題となりました。それもそのはずです。インデックス投資で世界株派の人たちは、ほとんどオルカンに投資しています。新NISAのスタートを前にして、Tracersがオルカン一強状態を塗り替えるかもしれないからです。
その後、三菱UFJ国際投信が声明を出しました。Tracersに対抗して信託報酬を引き下げることは無いとのことです。その理由として、コストの中身に相違があるため正当なコスト比較ができないと言っています。つまり、Tracersのコストからは何かが除外されており、それを加味した実質コストは高くつく可能性が高いです。その何かとは、MSCI ACWI指数の商標使用料ではないかと指摘されています。
少々ガッカリですね。さすがにVTのコストを下回るわけないか。ちなみに、VTをはじめとした米国ETFの経費率は、ETFに掛かるすべての費用です。それに対して、日本の投信のコストは名目の信託報酬だけであり、実質コストは分かりません。ぜひ日本も米国のように、基本的に総経費率を開示するようにルール化してほしいです。そうでなければ、正確なコスト比較ができません。今後に期待したいと思います。
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