地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

新NISAでキャピタルフライトか

来年開始の新NISAに強い関心が集まっています。日経新聞の報道によると、事前設定の積み立て予約の額が既に2000億円を超えているそうです。日本の個人金融資産は2000兆円に上り、そのうち1000兆円が預貯金として眠っています。政府は「貯蓄から投資へ」を合言葉に、この1000兆円を何とか投資に振り向けようと躍起になっています。新NISAは良い契機になりそうです。

しかし、投資先の大半は日本株ではなく外国株のようです。日経記事によると、申込金額の上位は以下のとおり軒並み世界株や米国株です。1位は世界株のオルカン、2位と3位はそれぞれ米国株のファンドです。

出典:新NISA好調、月2300億円予約 - 日本経済新聞

かくいう私も、新NISAの「つみたて投資枠」ではオルカンに年初一括で投資します。「成長投資枠」では米国ETFの本家VTに投資予定です。こちらも世界株(当ブログでは主に「地球株」と呼称)です。なお、つみたて投資枠の方は設定済みですが、成長投資枠の方は現時点でまだ米国ETFを設定できないようです。忘れないように早く設定を済ませてしまいたいです。

chikyu-pf.hatenablog.com

 

ある国の投資資金が一斉に国外に流出してしまうことを「キャピタルフライト」(資本逃避)と言います。自国通貨の流出で大幅な通貨安に陥るため、その国の政府や国民にとっては悪夢です。記憶に新しいところではアルゼンチンがそうなりました。キャピタルフライトは何も海外銀行にお金を直接送金するだけでなく、自国の証券会社から外国株を買っても結果的に同じことです。新NISAはキャピタルフライトの引き金になるかもしれません。そうなれば大きな円安要因となります。

政府は長らく「貯蓄から投資へ」を掲げて来ましたが、ここで想定していた投資先はもちろん国内でしょう。これまで眠っていた預貯金が国内の資本市場に集まり、それが国内の産業の発展に寄与して、日本全体が再び経済成長を取り戻す。こんな青写真を描いてたものと思います。まさかキャピタルフライトなど望むはずがありません。政府は新NISAで国民がこんなにも海外にばかり目を向けるとは予想できなかったのでしょうか。

今後もし本格的なキャピタルフライトになるようであれば、政府は何らかの対策を講じるでしょう。新NISAに限れば、対象商品を限定してくるかもしれません。新NISAでは金融庁が対象商品を選別しています。やろうと思えば「外国株を含む投信はリスクが高いので今後除外する」といったことも出来るでしょう。あるいは、課税口座で外貨建て資産を含む投信を持っている場合は税率を上げるとか。こうした金融資産課税の強化はかねてから危惧しているところです。

chikyu-pf.hatenablog.com

 

いずれも杞憂に終われば良いですが、そうなる前に新NISAの枠は最速で埋めた方が良いだろうと思っています。その方が投資効率が良いという面もありますが、それより制度改悪のリスクを避ける方が重要です。政府が新NISAの対象商品を「今後」狭めることは十分にあり得ますが、既に個人が設定済みの商品をどうこうすることは考えにくいです。新NISAはキャピタルフライトの引き金になるかもしれませんが、同時に個人としては新NISAで一部資産を保全できるかもしれません。

 

【姉妹サイト】

お金と労働と地球株
~無能が30代で資産1億円を達成した方法~

 

【他の投資家ブログ】

 

はてなランキング】