地球PF運用ブログ

2億円の「地球ポートフォリオ」で地球全体の資産を運用する氷河期リーマンのブログ

1億総株主

自民党の経済成長戦略本部が、「新しい資本主義」の実現に向けて「1億総株主」を提言しました。「貯蓄から投資へ」を具体的に促すよう、iDeCoやNISAの改革を求めるものです。

割と批判も多いみたいですけど、私は支持したいです。日本の家計金融資産2,000兆円のうち、半分の1,000兆円は預貯金のまま眠っています。今後いよいよ日本もインフレに転じるかという状況で、この1,000兆円を活用しないと困るのは私たち国民の方です。

以前このブログで「新しい資本主義って結局社会主義で、資産所得倍増プランの後は資産所得課税が待ってるんじゃないのか」と、「新しい資本主義」全般に対してやや懐疑的なことを書きました。

chikyu-pf.hatenablog.com

最終的にはそうなのかも分かりませんが、個人投資家が具体的に得をする仕組みが作られるのであれば、それはもう全力で乗っかりたいところです。

さて、1億総株主の提言に対する主な批判に「そもそも投資するお金が無い」というものがあります。1,000兆円が眠っていると言っても、それを持っているのは大抵50代以上の層であって、若い人にはお金がありません。NISA等の非課税枠拡大なんかよりも、まず給料が増えるようにしてくれ、ということでしょう。非常に真っ当な批判だと思います。

しかし、若い人にまとまったお金が無いのは、日本に限らず世界共通です。私も働き始めたばかりの頃は、給料も貯金も少なかったです。それでも、かなり早くから節約と投資に取り組んで、30代のうちに1億円の資産を作りました。少額の投資でもコツコツと長期間続けていけば、やがてそれが大きな資産に育つことを知っていたからです。私は就職して1年でうつ病になり、休職してしまいました。休職中に投資関連のことを勉強し、復職後すぐに投資を始めました。そう考えれば、うつ病と休職も悪いことばかりでは無かったのかもしれません。

私自身の経験に鑑みて、1億総株主のキーポイントになるのは投資に関する教育だと思います。教育と言うと大袈裟ですけど、資本主義、株式会社、長期投資、投資信託複利、といった基本的なことを、若いうちにもっとしっかり学べるようになれば良いと思います。今後は高校で「資産形成」が必修になるそうです。その内容をいかに充実させ、いかに生徒に定着させるかが、今後の1億総株主の成否を分けることになると思います。

ただ、今よりも投資教育や投資環境が充実したとして、その先に日本への投資がどれだけあるんだろうか、と別の心配をしてしまいます。政府は、投資の活性化 → 日本企業の設備投資増 → 従業員の給料アップ → 日本経済復活、という青写真を描いているのかもしれません。この一番最初のところで、そもそも日本以外に投資されるんじゃないか、と想像してしまうのです。

私の場合、色々勉強した結果として地球株(いわゆる世界株のことです)に辿り着きました(参照:お金と労働と地球株 ~無能が30代で資産1億円を達成した方法~)。他の皆さんの投資ブログを読ませてもらうと、米国株をメインにしている投資家さんが多いようです。投資に関して一定のところまで勉強というか情報を集めると、会社員が給料から積み立てる形で投資するなら大体この2つのどちらかが良いな、ということになってしまうんですよね。

地球株であればまだ日本株も含まれます。それでも全体の5%ほどしかありません。これが米国株となると、日本への投資はゼロです。日本政府としては、それで良いのでしょうか。だからと言って、本来自由に投資先を選択できるべき投資家に対して、政府が日本企業への投資を強制するわけにもいきません。せいぜい政府が出来ることは、税制等で日本株投資へのインセンティブを作ることくらいでしょうか。

いずれにしても、投資環境をより良くしてくれることは、私としては歓迎です。1億総株主というネーミングには私も少々思うところがありますが(1億総玉砕にならなければ良いなと、、、)内容には期待しています。

 

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~無能が30代で資産1億円を達成した方法~