ロシア政府が事実上の債務不履行に陥りました。外貨建て国債の利払い金が、期限までに投資家に支払われなかったとのことです。
通常は格付け会社がデフォルトの認定を行います。しかし現在、経済制裁の一環で大手格付け会社はロシア国債の格付けを取り下げています。どうやって認定するのか、そもそも認定に至るのか、まだよく分かりません。もしロシアのデフォルトが正式に確定すれば、1918年以来、1世紀ぶりの事態だそうです。
ロシア政府はデフォルトの認定に反対するでしょうが、あまり意味が無いでしょう。それを判断するのはロシア政府ではありません。
それにしても異例の債務不履行で、実際どうなるのか不明な部分が多いです。ロシアはウクライナ侵攻によって、西側諸国から金融制裁を受けています。米国はロシア国債の元利金受け取りを禁止しています。
ロシアは支払ったものの、金融機関で止まっているのかもしれない、といった報道もあります。もしそうだとすれば、ロシアは資金を持っていて、支払う意思もあるのに、外国から支払い手段を取り上げられたために投資家に利払い金が届かない、という状況です。支払い能力を失ったのではなく、支払い手段を奪われています。これをもってデフォルトだというのは、ちょっと合目的的すぎる気がします。
ただし、ロシアはウクライナに攻め込んだ時点で世界中から信用を失い、国際金融システムから締め出されています。海外からの資金調達など既にできない状態です。国債保有者も既に損失を計上しているはずで、ほとんど影響は無いと思います。
その意味ではロシアはとっくにデフォルトしており、今回正式に認定されるかどうかは形式的なものでしかないのかもしれません。
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