このブログでは毎週土曜日に地球PFの運用状況を報告しています。しかし衝撃の事件が起きたため予定を変更します。運用状況報告は明日に回します。
昨日正午前、安部元首相が選挙演説中に銃撃され、夕刻に死亡が確認されました。容疑者は元海上自衛隊員。犯行の動機は現時点で不明です。
銃規制が緩い外国では、議員が狙撃される事件が度々発生します。しかし、銃規制が最も厳しく、「世界一安全な国」と評される日本で、元首相が銃撃を受けて死亡しました。しかも選挙の応援演説中に白昼堂々と。戦後初かつ最大の事件だと思います。
安倍さんは戦後最年少で首相に就任し、憲政史上最長の総理在任期間を記録した、まさに傑出した政治家です。成し遂げた功績も数多く、特に経済政策の面では「アベノミクス」でデフレ脱却の道筋を作りました。
一方で、根強い「安倍反対派」の層が形成されていたこともまた事実です。良くも悪くも影響力が大きい政治家だったので、いわゆる右の層からは「保守の星」と過剰に期待され、いわゆる左の層からは蛇蝎のごとく嫌われました。
第一次安倍政権は、安倍さんの持病悪化により、失意の中わずか1年で幕を閉じました。その後、持病を抱えながらも再登板して再び総裁、首相に返り咲き、第二次安倍政権で辣腕を振るいました。周りが何と言おうと、安倍さん本人は日本のために全力を尽くしたのだと思います。
私は安倍政権の恩恵を受けた人間の1人です。勤務先が大手製造業の会社なので、民主党政権時は円高放置政策に危機感を抱きました。会社は2年で約1.5兆円もの赤字を計上するという、にわかに信じがたい状況に陥りました。普段は私の仕事に全く興味が無い家族から「会社、大丈夫なの?」と電話が来るほどでした。また、当時は「地球株」を運用していたので、それも含めて踏んだり蹴ったりの状況でした。
その後、政権交代で円高が是正され、さらにアベノミクスで株式市場も回復します。まるで救世主です。おそらく投資家の大半は、私と同じく安倍政権の恩恵を受けたものと思います。
今回の事件は、今後の日本経済に大きな禍根を残すかもしれません。安倍さんはまだ若く、自民党内の積極財政派にとって最大の後ろ盾でした。アベノミクスに対しては今なお功罪が指摘されますが、私の評価は次のようなものです。もし3本の矢がちゃんと飛んでいれば、日本は30年に及ぶ停滞から本当に抜け出せていたかもしれません。しかし矢は1本しか飛ばず、その弊害が今になって噴出しています。最も飛んで欲しかった矢こそ、いわゆる第2の矢「機動的な財政政策」でした。
安倍さんが存命であれば、遅ればせながら第2の矢が放たれたことでしょう。今やそれだけの力がある政治家が存在するのか分かりません。ご冥福をお祈り致します。
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