日本は一般に「安全な国」だと言われています。しかし、ここ数年くらいで急激に治安が悪くなっているように感じます。犯罪件数の推移を調べたわけではありませんが、気になるのは統計の数字ではなく、事件の質です。相模原の障害者施設殺傷事件、京都アニメーションの放火殺人事件、そして先日の元首相襲撃事件など、近年「これ本当に日本で起きたの?」と耳を疑いたくなるような事件が続々と発生しています。
こういった事件を起こした、あるいは起こし得る人物像として、よく「無敵の人」がフォーカスされます。無敵の人とは、社会的に失うものが無いため、躊躇なく犯罪を起こす人のことを指します。彼らの多くは無職か不安定な職で収入が少なく、独身で恋人も友人も居らず、社会との接点が少ないです。この社会に未練などなく逮捕上等、究極的には死刑すら上等で、まさに無敵だというわけです。
そして事件を起こした無敵の人たちは、どうも多くが40代男性である気がしてなりません。先日の元首相襲撃事件の犯人も40代男性で無職だったようです。彼らは、いわゆる就職氷河期世代です。この世代は明らかに他世代と比較して不遇です。一部の人は無敵であることに加えて、社会への復讐心を抱えているのかもしれません。既に遅きに失した感はありますが、今からでも彼らには何らかの、特に経済的な支援が必要だと思います。
私も一歩道を踏み外していたら、無敵の人になっていたかもしれない、という恐怖が少なからずあります。実際のところ、職と金がある、という点を除けば、私は彼らとあまり違いがありません。40代の就職氷河期世代であり、独身で彼女はおろか友人も少ないです。在宅勤務ということもあり、特に用が無ければ、というか基本的に無いので、ほとんど外に出ないで引きこもっています。
中卒家庭からの進学、就職氷河期下での就職、うつ病による休職からの復職と、割と際どいルートを何とか進んで来られて今がある、といった感じです。どのフェーズでも運が大きく作用しています。まとまった資産を作ろうと思ったのも、たまたま休職して色々なことを考える時間ができたからです。上記のうち何か1つでも欠けていたら、私も無敵の人になっていたかもしれません。
逆に言えば、私は「お金」を失うと非常にまずい状況に陥ります。「誰だってそうだよ」と思われるかもしれませんが、微妙にそうでは無いのです。人脈が豊富な人であれば、お金が無くても助けてくれる人がいるかもしれません。その中には伴侶や子供も含まれます。有能な人であれば、お金が無くなったらバリバリ働いて稼げば良いでしょう。そういった人たちは、仮に金融資産が無くても、実は目に見えない他の資産を持っています。それによって金融資産を補えるのです。
一方で、私は金融資産を失うと本当に何も無くなってしまい、一気に「無敵の人」と化します。人脈や能力といった、バランスシートに計上されない資産の有無で、両者には決定的な違いがあります。
私が今から人脈を作りまくったり、超有能なビジネスマンになったりするのは、残念ながら不可能だと思います。ロボトミー手術を受けても無理かもしれません。ということは、引き続き金融資産に全振りせざるを得ません。無敵の人になって社会に迷惑をかけないように、今後も慎重に地球PFを運用していきたいと思います。
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