先日の参院選で、新たに多くのタレント議員が誕生しました。生稲晃子さん、中条きよしさん、松野明美さん等です。松野さんは元マラソン選手ですが、この枠で考えて良いと思います。
彼らは選挙で票を集めるという正当なプロセスを経て議員になっています。その意味で、タレント議員であること自体には何の問題もありません。また、過去に立派な仕事をしたタレント議員も数多く居ます。レーガン米大統領だってタレント議員でしたからね。
しかし、政党がタレント候補を擁立するのは、彼らの知名度を利用して多くの票を集められるからに過ぎないでしょう。タレント候補に「客寄せパンダ」としての役割しか期待していません。タレント候補本人も、例えば元芸能人で人気がなくなった人であれば「第二の人生として政治家先生も悪くないな」と考えてオファーを受けるのかもしれません。両者の思惑が一致して、まさに Win-Win です。
その代わり、国民が Loser になっていると思います。これから6年間、彼らに何億円が使われるのか分かりませんが、すべて税金ですからね。タレント候補者は知名度こそ高いものの、選挙戦で政策をほとんど訴えないため、議員になってから相応の仕事をしてくれるのか全く分かりません。
選挙は民主主義の根幹だと言われます。しかし、失礼ながら私には、一部のタレント議員が衆愚政治の象徴に見えます。選挙の度に投票率の低さが話題になりますけど、投票率が上がったところで、より多くのタレント議員が誕生するだけかもしれません。
今回、生稲さんは各テレビ局の中継インタビューを全て拒否しました。その理由について、生稲陣営は「国会議員としての資質、勉強が圧倒的に足りない」と明かしたそうです。その状態で出馬して、当選してしまうのが凄いです。
また、新聞社のアンケートに矛盾した回答をして話題になりました。毎日新聞の「富裕層への課税強化に賛成ですか、反対ですか」という設問に対しては反対し、朝日新聞の「所得や資産の多い人に対する課税を強化すべきだ」という設問に対しては賛成しています。両紙はほとんど同じことを尋ねているのに、生稲さんは真逆の回答をしています。
何も生稲さんが悪いわけではありません。今後しっかりと活躍されるかも分かりません。しかし上記のような状況を目にして、有権者はずいぶんバカにされているんだな、と今回あらためて思いました。意地悪なことを書いてしまいましたが、新たに誕生したタレント議員には、良い意味で予想を裏切って活躍してほしいと願います。
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